富士通とNVIDIAが提携し、カスタムAIインフラでAIエージェントを強化

「Monaka」CPUがNVIDIAのハードウェアとの連携で業界特化型AIエージェントを支援

富士通はNVIDIAと提携し、自社のFUJITSU-MONAKA CPUとNVIDIAのGPUを統合して、AIを支える高性能インフラを構築する予定です。

両社の既存の戦略的協業を拡大する形で、NVIDIAが最近発表した「NVIDIA NVLink Fusion」を活用し、AI向けのフルスタックインフラを共同開発します。この技術により、外部パートナーはNVIDIA以外のアクセラレータと、NVIDIAのハードウェアを組み合わせたラックスケールのカスタムAIインフラを構築できるようになります。

富士通は、NVIDIAの従来の独自スタックに柔軟性が加わったこの新しい動きにいち早く対応する企業の一つとなり、両社は、AIエージェントプラットフォームの共同開発にも取り組みます。富士通のCPUとNVIDIAのGPUは、医療、製造、ロボティクスなどの業界向けAIエージェントソリューションを支える計算インフラの基盤となります。まずは日本市場を中心に展開し、今後はグローバル展開も視野に入れています。

NVIDIAの創業者兼CEOであるジェンスン・フアンは、次のように述べています。「AIによる産業革命はすでに始まっており、それを支えるインフラを日本、そして世界中で構築していく必要があります。富士通はコンピューティング分野の真の先駆者であり、日本におけるスーパーコンピューティング、量子研究、エンタープライズシステムの信頼できるリーダーです。NVIDIAと富士通は、それぞれのエコシステムをつなぎ、AI時代に向けた強力なパートナーシップを築いていきます。」

この新しい提供サービスは、富士通のAIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi」上に構築されます。このプラットフォームは2024年10月に発表され、複数のAIモデルを活用してビジネスデータから洞察を抽出するAIエージェントなど、クラウドベースのAIサービスを提供しています。最初は収益性分析や交渉支援に使われていましたが、現在では生産管理や法務など、より広範な用途に拡大しています。

さらに、富士通のAIワークロードオーケストレーター技術は、NVIDIAのモジュラー型推論フレームワーク「NVIDIA Dynamo」と組み合わせられ、企業が最適化された推論を通じてAI導入を加速できるプラットフォームを構築します。

富士通株式会社 代表取締役社長 CEOである時田隆仁は、次のように述べています。「NVIDIAとの戦略的協業により、企業や政府機関におけるAI主導のビジネス変革を加速させます。両社の最先端技術を融合することで、まずは日本が世界をリードする製造業などの分野から、フルスタックのAIインフラを開発・提供していきます。AIインフラのニーズ拡大に対応するため、今後は高性能コンピューティングや量子分野でも協業を広げていきます。」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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