
Atlas Renewableが、ブラジルにデータセンター3棟を建設へ
自社データセンターを開発
米国企業Atlas Renewable(Atlas)は、ブラジルでデータセンターの開発を目指していると報じられています。
同社は、リオデジャネイロ州にあるPorto do Açu(アス港)の工業団地内に、少なくとも3棟のデータセンターを建設する計画です。
これらのプロジェクトは、現地子会社Atlas Comercializadora de Energiaを通じて、電力網への接続を目的に、鉱山・エネルギー省へ個別に申請されています。
Atlasは2017年に設立され、現在はラテンアメリカ全域で約7.5GWの再生可能エネルギー容量を運用・開発中で、その多くがブラジルに集中しています。同社は2022年、英国の投資ファンドActisから米国のインフラ投資会社Global Infrastructure Partners(GIP)に買収され、現在はBlackRock傘下にあります。
今回のプロジェクトは、Atlasにとってデータセンター分野への初の直接投資となります。これまで同社は、チリのODataやブラジルのTecto/V.talなど、業界企業への電力供給契約を通じて関与してきました。
この動きにより、AtlasはSerena、GP Participações、BEP Energia、Casa dos Ventosなど、電力取引・発電事業から自社データセンター開発へと事業を拡大する企業群に加わることになります。
また、Atlasはアス港工業団地への関心を示している企業の一つでもあります。ラテンアメリカ有数のデータセンター運営企業であるAscentyも、同地にプロジェクトを展開しています。
2024年8月には、アス港の開発を担うPrumo Logísticaが、Andrade Gutierrez groupとハイパースケールデータセンターの実現に向けた覚書を締結しました。この合意は、Andrade Gutierrez傘下のConsag Engenhariaと、CA3M Engenhariaによる合弁企業Vertin construction companyとの間で成立しています。
Porto do AçuのCEOであるEugênio Figueiredoによると、同社は以前からデータセンター市場の可能性を検討していたとのことです。
主要消費地からの距離が初期の課題ではあったものの、広大な敷地、建設の容易さ、周辺環境への干渉が少ない点などが、AIやデータストレージ用途において有利に働くと評価されているようです。
同CEOはまた、アス港に複雑な競争上の優位性を与える要因として、冷却システム用の新鮮で再利用可能な水の利用可能性や、地域発電、海底ケーブルへの近さなどを強調しました。天然ガス、太陽光、そして将来的には洋上風力発電などのエネルギー源、そして発電機がが敷地内に存在することが魅力です。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
この記事へのコメントはありません。