Eaton、液体冷却ポートフォリオ拡充のためBoyd Thermalを95億ドルで買収

CDUを含む、データセンター冷却ソリューションを獲得

電力・冷却機器メーカーのEatonは、Boydのデータセンター冷却事業を買収する予定です。

同社は今週、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントからBoydのサーマル事業を買収する契約を95億ドルで締結したと発表しました。

本取引は慣例的な完了条件および規制当局の承認を条件としており、2026年第2四半期に完了する見込みです。

EatonのPaulo Ruiz CEOは、次のように述べています。「Boyd Thermalの高度な液体冷却技術とグローバルサービスモデルを、Eatonの既存製品群と事業規模と統合することで、顧客への付加価値を高めます。」

「特にデータセンター分野では、チップから電力網に至る電力供給と液体冷却の両分野における当社の専門知識を統合することで、顧客の増大する電力需要をより効果的に管理することを可能にします。」

Boydのサーマル事業はデータセンター、産業、航空宇宙などの市場にサービスを提供しています。米国に本拠を置く同部門は、従業員5,000名以上を擁し、北米、アジア、欧州に製造拠点を展開しています。

Boyd Thermalは2026年の売上高を17億ドルと予測しており、うち15億ドルは液体冷却分野によるものです。

Boyd ThermalのDoug Britt CEOは、次のように述べています。「Eatonとの提携を楽しみにしています。当社の数十年にわたる液体冷却の専門性と、Eatonのインテリジェント電力管理分野におけるトップクラスの地位が融合することで、AIデータセンターの高電力需要に対応するスケーラビリティと効率性のイノベーションを実現します。両社がチームで協力し、顧客に圧倒的な価値提案を提供します。」

1911年創業のEatonは米国系電子機器メーカーで、UPSソリューション含むデータセンター向け電力システムを提供しています。

1928年に創業したBoydは、バッテリー、電力インバーター、その他の電子機器向け冷却技術を実現する材料・熱ソリューション企業です。単相・二相液体冷却、液浸冷却CDU、コールドプレート、冷却ループ含む製品群を展開しています。7月には、NVIDIA NVL72ラック10台以上を効率的に冷却できるとする2.3MWのCDUを発表しました。

取引完了後、Boydはシーリング・シールド・絶縁技術を提供するエンジニアリング材料事業が、Boydブランドのもと独立企業として運営を継続し、ゴールドマン・サックス・オルタナティブズの支援を受け続けると述べました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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