BroadcomによるVMwareの買収が完了

チップメーカー Broadcom(以下、ブロードコム) は、クラウド・ソフトウェア・メーカー VMware の 690 億ドル規模の買収を完了したことを発表しました。

この買収は、中国による規制承認の障害があったにもかかわらず、最終的に成立しました。

統合後のVMwareは、企業のプライベートおよびハイブリッド・クラウド環境の構築と近代化の支援に注力することになります。

VMware はクラウドおよび Edge 向けソフトウェアのラインアップを引き続き提供します。

ブロードコムは2022年5月に VMware の買収提案を行いました。この提案は、VMware ユーザーの間に懸念を抱かせました。というのも、ブロードコムがどの製品ラインのサポートを継続していくのかが不明確であったためで、ブロードコムはこれまでも企業を買収してはすぐに一部を売却してきた経緯があります。

ブロードコムのHock Tan CEOは、ブロードコムがVMwareでこのようなことをすることはないと述べました。同社は年間20億ドルの投資を約束しており、その半分は研究開発に、残りの半分は “VMwareとパートナーのプロフェッショナル・サービスによるVMwareソリューションの展開 “に充てられるとしています。

また同氏は次のように付け加えました。「ブロードコムは、持続可能な成長を促進するために買収した事業に投資してきた長い実績があります。そしてそれは、私たちがサービスを提供するステークホルダーの利益のために、VMwareでも継続されるでしょう」

この買収は、ブロードコムが数十億ドルの収益を上げる市場である中国の規制当局の承認を必要としたため、大幅に遅れました。11 月 22 日まで、中国の国家市場監督管理局 (SAMR) は買収を承認も否定もせず、沈黙を守っていました。なお、買収の期限切れは11月26日でした。

Financial Timesは2023年10月時点の報道で、SAMRは米国が課した中国へのチップと先端技術の販売規制の強化に対する報復として、承認を延期する可能性が高いと報じていました。

しかし、中国の習近平国家主席がアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でバイデン米大統領と会談した数日後に、中国はこの取引に応じることになりました。

VMwareは1998年に設立され、インテルx86サーバーに仮想化プラットフォーム(ハイパーバイザー)を提供した最初の企業です。同社は過去にEMCとデルの傘下に入っていたことがあります。ロイターは2022年5月、この買収によりブロードコムのソフトウェアによる収益は3倍になるだろうと予測 していました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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