Yandex ロシア資産を52億ドルで売却、フィンランドデータセンターの管理権維持

ウクライナで戦争が勃発して以来、事業の分割を検討

Yandexはロシア国内の資産を52億ドルで投資家コンソーシアムに売却しましたが、フィンランドのデータセンターを含む国際的な事業の管理権は保持しています。

過去に「ロシアのGoogle」と呼ばれたこともあるNasdaq上場の同社は、2年前にウクライナで戦争が勃発して以来、撤退戦略を模索してきました。

ロシアで検索エンジンをはじめ、ライドヘイリングやフードデリバリーなどさまざまなデジタルサービスを提供するYandex NVは、クレムリンから国家戦略的資産とみなされていますが、持ち株会社のYandex NVはオランダに本社があり、株主のほとんどは西側に住んでいます。

DCDが報じたように、Yandexは2022年、ロシアとの関係を断ち切ることを視野に入れ、事業の戦略的見直しを開始しました。本日、ロシアのYandex経営陣が率い、4つの投資ファンド(Argonaut、Infinity Management、IT Elaboration、Meridian-Servis)が支援するConsortium.Firstとして知られるグループが、同社のロシア事業部門を52億ドルで買収することが確認されました。

Yandex NVのJohn Boynton会長は、ウクライナ戦争が勃発して以来、同社は「例外的な課題に直面しています」と述べています。

「我々は、このような異常な状況において、株主、チーム、そしてユーザーにとって最善の解決策を見出すことができたと確信しています」

「提案されている取引により、株主は売却する事業の価値をある程度取り戻すことができる一方、当社が保持する国際事業の新たな成長の可能性を引き出し、売却した事業が新たな所有者のもとで運営されるようになるでしょう」

「Yandexはユニークなストーリーを持つ企業です。私は、当初からその物語の一部であったことを誇りに思いますし、次の章の一部になれることを誇りに思います。今回の売却案は、現グループの両部門が、それぞれのステークホルダーの利益のために発展・成長するための位置づけになると信じています」

Yandex NVは買収完了後、社名を変更する可能性が 高いです。同社は、欧州の企業にGPU容量を提供するクラウドプラットフォーム、ネビウスAIへの出資を含め、ロシア国外の企業への投資ポートフォリオの管理権を保持することとなりそうです。

また、フィンランドにあるデータセンターの運営も継続し、ロシア国外を拠点とする1,300人のスタッフのサービスも維持します。

Yandexはまた、ロシアで5つのデータセンターを運営しています。このうち最も新しいのは、モスクワの南200マイルに位置するカルーガ州にある63MWの施設で、昨年稼働する予定でした。他の4つの施設は、ウラジーミル、サソヴォ、イヴァンテフカ、ミティシチにあります。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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