マイクロソフト、データセンター運用でウォーターポジティブ達成と主張

水使用量の具体的な数値は公表せず

マイクロソフトは、自社の事業全体においてウォーターポジティブを達成したと発表しました。これは2030年の目標より5年早い達成となります。同社は2025年度、グローバル事業全体で使用した水量よりも多くの水を補充したとしています。

同社のブログ投稿の中で、2000年代初頭と比較してデータセンターの水使用効率(WUE:Water Usage Effectiveness)を約90%改善し、自社保有のデータセンター全体において平均値を2.3L/kWhから2025年には0.27 L/kWhへと削減したと述べています。WUEは年間の総消費水量(リットル)をIT機器が使用する総エネルギー量で割った値です。

さらにマイクロソフトは、2022年の基準値と比較してWUI(Water Use Intensity :水使用強度)を25%削減したと発表しました。これは、今後10年間で40%削減するという目標の半分以上を達成したことになります。

同社が水使用量を最後に全面開示したのは2022年です。その年の使用量は16億9,000万ガロンで、前年から34%増加していました。それ以降の改善は、蒸発冷却から直接空冷や液冷システムへの移行によるものとされています。また、2024年に導入された閉ループ式のダイレクト・トゥ・チップ液冷システム(direct-to-chip liquid cooling system)※も挙げられており、今後の新設データセンターではこれを採用していく予定です。
※訳注:DLC(Direct Liquid Cooling)を指します。CDUを介してパイプ内に入れた水を循環させれば、閉ループとなり、新たな冷却水を必要としません。

同社によると、2025年時点で自社保有データセンターの約90%が低水または無水冷却システムで稼働しているとのことです。ダブリンやアムステルダムのような冷涼な地域では、水の使用は5%未満に抑えられており、フェニックスのような高温地域でも水が必要な時間は最大で40%に抑えられています。

また、マイクロソフトは再生水や非飲用水の利用も拡大しています。ワシントン州クインシー、シンガポール、テキサス州サンアントニオでは、それぞれ水使用量の74%、99%、79%を再生水または非飲用水が占めています。

さらに、オランダ、スウェーデン、アイルランドでは雨水回収システムを導入しており、カナダ、英国、フィンランド、イタリア、南アフリカ、オーストリアでも導入を計画しています。

同社は大幅な技術進歩を謳っているものの、一方でデータセンター運用における水の持続可能性については依然として懸念が残ります。同社は、データセンターの規模拡大に伴いウォーターポジティブの状態を維持することが継続的な課題であると認めており、ハードウェアの種類に応じて冷却方式を最適化するために、ゾーン冷却アーキテクチャの検討を進めているとしています。

なお、Amazonも最近水使用量を公表しており、昨年は25億ガロンの水を消費したことを明らかにしました。同社は2030年までに、ウォーターポジティブを達成する目標を改めて示し、その進捗は約75%に達しているとしています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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