
NVIDIA、理化学研究所との協業を拡大 ~新スーパーコンピュータ2台にBlackwell GPUを導入へ
NVIDIAは日本の研究機関である理化学研究所と提携し、同社のGB200 NVL4システムを新スーパーコンピュータ2台に導入すると発表しました。
1台は科学研究専用のAIスーパーコンピュータ、もう1台は量子コンピュータとなる予定です。
両システムには合計2,140基のBlackwell GPUが導入さ れる予定です。内訳はAIスーパーコンピュータに1,600基、量子コンピュータに540基となります。両システムともNVIDIAのGB200 NVL72プラットフォームを採用し、Quantum-X800 InfiniBandネットワークで相互接続されます。
NVIDIAのハイパースケール・高性能コンピューティング(HPC)担当バイスプレジデント、Ian Buckは次のように話しています。「理化学研究所は長年にわたり世界有数の科学機関の一つであり、今日ではコンピューティングの新時代の最前線に立っています。私たちは共に、日本が主権的イノベーションの基盤を構築するのを支援し、世界で最も複雑な科学的・産業的課題を解決するブレークスルーを推進します」
今回の発表は、理研とNVIDIAが2025年8月に発表した協業に基づくもので、この協業では同社が富士通と共同で、現在「FugakuNEXT」として知られる「富岳」スーパーコンピュータの後継機を共同設計する予定です。
このシステムには、富士通が開発し2027年にリリース予定のArmベースCPU「富士通MONAKA-X」が搭載される予定です。2nm技術で製造される富士通MONAKAチップは、GPUやその他のアクセラレータと統合され、先進的な3Dパッケージングと超低電圧回路動作に最適化されたマイクロアーキテクチャを採用しています。
FugakuNEXTでは、理化学研究所がFujitsu-MONAKA-XとNVIDIA GPUをNVLink Fusionで接続します。これは、チップレットベースのUCIeインターコネクトを介してカスタムシリコンやCPUをNVIDIA GPUと統合可能な相互接続技術です。
2台の新型スーパーコンピュータは2026年春に稼働開始予定で、FugakuNEXTは2030年までの稼働を目指しています。
理化学研究所との協業拡大は、先週ミズーリ州セントルイスで開催された「Supercomputing 2025」イベントでNVIDIAが発表した数多くの内容の一つにすぎません。
量子関連では、世界中の10以上のスーパーコンピューターセンターが量子プロセッサとHPCシステムを接続するNVQLinkインターコネクトを採用し、ハイブリッド量子・古典コンピューティングワークロードを支援しているとNVIDIAは述べています。
同社はまた、NVLink FusionソリューションのパートナーとしてArmを迎えたことも明らかにしました。
Armは声明で、Neoverse技術をNVLink Fusionに統合することで、自社のアーキテクチャをさらに強化し、「ワット当たりの知能を提供し、AI時代のアーキテクチャを形作る」と期待を示しました。
11月20日、Nvidiaは第3四半期に過去最高の収益を計上し、アナリスト予想を上回り、前年比62%増の570億ドルの売上高を報告しました。
AIバブルへの懸念が高まる中、データセンター向け売上は66%増の510億ドルに達し、NVIDIAのCFOであるColette Kressは「今年初めから2026年末までのBlackwellおよびRubinプロセッサの売上高は5000億ドル規模の見通しがある」とコメントしました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















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