
ソブリンAI、通信事業者にとって「重要な新規ビジネスチャンス」
市場は今後5年間で「大幅な拡大」を見込み、成長を取り込む構え
ソブリンAIの開発は、通信事業者にとって重要な新たなビジネス機会を意味し、彼らは国家的なAIインフラプロジェクトを推進するのに「適している」と、Morningstar DBRSはコメントでこう主張しています。
世界的な信用格付け機関である同社は、AIの広範な「民主化」と「AI主導のイノベーション」の新しい波により、ソブリンAIインフラが「国家的な必須事項」になったと指摘しています。
通信事業者は、大規模な通信ネットワークの管理経験、光ファイバー網やデータセンターとの長期的なパートナーシップ、さらに「電力事業者との関係強化」により、この分野を支援する立場にあります。
Morningstarは、次のように述べています。「この中核的強みにより、彼らは施設と高速光ファイバーネットワークを統合・構築し、主権的なAI開発を支援する上で有利な立場にある。」
コメントでは、通信事業者がすでに現代の重要インフラである通信ネットワークの設計、構築、保守を担っているという独自の立場にも言及しています。
これは、彼らがすでに自国の法律や規制に準拠しており、政府との長期的な信頼関係を持っていることを意味し、「高度に機密性の高いソブリンAIインフラ」を開発する際に大きな強みとなります。
Morningstar DBRSのコーポレート・レーティング担当シニアバイスプレジデント兼チームリーダーであるScott Ratteeは次のように述べています。「大手国営通信事業者は、国家的なソブリンAI戦略の開発と実行において重要な役割を果たす立場にあり、彼らのコアコンピタンス(中核的強み)は、ソブリンAI開発を支える施設や高速光ファイバー網の統合・構築に適している」
以前のMorningstarの報告によると、通信業界はすでに収益成長と市場シェア維持のためにAI投資を検討している、としていました。
一部の通信事業者はすでにソブリンAIプロジェクトを支援しており、例えば、カナダのTelusはNVIDIAと提携し、カナダに「ソブリンAIファクトリー」を導入しました。
また先週、Deutsche Telekom(ドイツテレコム)がEUのAIギガファクトリーファンド「InvestAI」の一環として、ドイツにAIデータセンターを建設する交渉を行っているとの報道もありました。
Morningstarは「まだ開発と実装の初期段階にあるものの、ソブリンAI計画の開発と応用を進める機会を迅速に活用できる通信事業者は、今後5年間で大きく拡大すると見込まれるこの分野で企業・政府市場シェアを獲得する最適な立場にあります」と述べています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















この記事へのコメントはありません。