EIA:退役軍用ジェットエンジンをデータセンター電源に転用へ

アリゾナ州だけで最大40GWの供給が可能

米国エネルギー情報局(EIA)は、退役した軍用機のジェットエンジンをデータセンターの電源として活用できる可能性があると示唆する新しい報告書を発表しました

報告書は、アリゾナ州のDavis-Monthan Air Force Base(デビスモンサン空軍基地)に保管されている航空機が、データセンター業界に対する代替電源として活用できる可能性があると述べています。EIAによると、「Boneyard(ボーンヤード)」に保管されている約4,000機の航空機は、最大で合計40GWの供給能力を持つ可能性があるとされています。この推計は理論上の最大出力を示しており、実現可能性、コスト、運用上の制約は考慮されていません。

報告書は、平均10年以上保管されているエンジンの状態が不明であること、軍の任務要件、そしてエンジンを取り外し、改修し発電用に転用する際に伴う物流・規制上のハードルなど、導入に向けた複数の課題を指摘しています。

EIAの報告書は、ターボファンエンジンが最大32GWという潜在的発電容量を持つ最大の供給源であるとしています。これらのエンジンは、電力会社規模や自家発電で広く利用されている、商用の航空転用型燃焼タービンと非常に近い構造を持っています。

例えば、GE Vernovaの51MWのLM6000発電タービンは、GE AerospaceのCF6ターボファンエンジンをベースとしており、CF6エンジンは民間による整備・再生が商業ベースで提供されています。

EIAは、もし転用されれば、電力網の制約や接続までの長いリードタイムに直面している地域において、エンジンが一時的または補助的な電源として機能する可能性があると示唆しています。ここ数か月の間に複数の企業が登場し、データセンター業界向けに転用したジェットエンジンを提供し始めています。

昨年10月には、発電機器メーカーのProEnergyが、米国市場の2つのデータセンター運営企業が、建設期間中および稼働初期の数年間に転用ガスタービンを導入したことを明らかにしました。これらのタービンは、CF6-80C2ジェットエンジンのコアを転用したもので、商用利用向けに改修されています。同社によると、このエンジンは1基あたり48MWの供給能力を持つとのことです。

さらにその後、12月には、データセンター事業者のCrusoeがBoom Supersonicと契約を結び、1.21GW分のSuperpower turbineを調達したことが報じられました。これは、コンテナサイズのユニットに収められた42MWの天然ガスタービンです。同社は、このタービン技術がジェットエンジンと同じ技術を基盤としており、過酷な温度条件下でも持続的かつ効率的な高出力を提供できるよう設計されていると述べています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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