フランスのフォトニック量子システム「Lucy」、スーパーコンピューター「Joliot-Curie」と統合へ

今後数週間以内に稼働予定

フランスのCEA(原子力・代替エネルギー庁)のTrès Grand Centre de Calcul(TGCC)において、「Lucy」と名付けられた12量子ビットのフォトニック量子コンピューターが、「Joliot-Curie」スーパーコンピューターと統合されました。

Lucyは、今後数週間以内に稼働開始予定であり、欧州でこれまでに導入されたフォトニック量子コンピューターとしては、最も強力なシステムであると報じられています。

同システムは、EuroHPC Joint Undertaking(EuroHPC JU)のもとで、EuroQCS-Franceコンソーシアムにより調達され、フランスの量子スタートアップ企業QuandelaがCEAおよび、フランスの国家HPC機関であるGENCIと連携して納入しました。

Lucyは2025年10月に設置されており、TGCCのスーパーコンピューティング環境に統合される量子コンピューターとしては、同年5月に導入されたQuandela製のBelenosシステムに続く2例目となります。

稼働開始後、Lucyは欧州のユーザーに利用可能となり、エネルギー網の最適化、リスクモデリング、物流およびサプライチェーン管理、航空宇宙設計といった用途に利用される見込みです。

CEAの総局長であるAnne-Isabelle Etienvreは、次のように述べています。「Lucyにより、CEAは量子コンピューティングへの長年にわたる取り組みを具体的な形で改めて示しています。基礎研究チームによって開発された最初の量子ビットから、さらにTGCCにおいて量子マシンと従来のスーパーコンピューターの接続を探求する取り組みに至るまで、私たちは基礎から応用に至る統合的な研究モデルの貢献を示しています。」

「この継続性により、技術的ブレークスルーを主権的なツール(ソブリンツール)へと転換することが可能になります。Lucyは現在、研究チームだけでなく欧州全体の科学および産業エコシステムに提供され、新たなコンピューティング領域の探求に活用されます。」

また、Quandelaの共同創業者兼CEOであるNiccolo Somaschiは、次のように述べました。「本プロジェクトは、ドイツのパートナーであるAttocubeとの緊密な協力の成果でもあり、欧州の技術主権の実現に向けた仏独連携の連携を体現しています。この取り組みは、欧州で設計・製造された最先端の量子技術が高いインパクトを持つ科学および産業用途に対応するため、最先端のコンピューティングインフラに既に統合できることを示しています。」

2017年に設立されたパリ拠点のQuandelaは、2022年に2量子ビットのフォトニック量子コンピューター「MosaiQ」を発表しました。このシステムは-265℃まで超冷却されていましたが、光ビームとフォトニクスの原理を用いて量子アプリケーションを実行するため極低温での超冷却を必要とせず、標準的な19インチラックシステムに搭載可能です。

DCDは2024年9月、GENCIがAlice Recoqueエクサスケールマシンの稼働開始に伴い、Joliot-Curieスーパーコンピューターを退役させる予定であると独占的に報じました

今後導入されるAlice Recoqueシステムの入札文書によると、GENCIが「2つの実験的なハイブリッド量子コンピューティングパーティション」をAlice Recoqueと連携させ、「Joliot-Curieを置き換えることで、欧州コミュニティ向けにハイブリッドHPC/QCサービスを実現し、新たなアプリケーションを促進する」とEuroHPC JUは述べています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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