AWSがUK Biobankに1,030万ドルのクラウドストレージを提供

政府資金と同額を提供

Amazon Web Services(AWS)は、生物医学データベースUK Biobankに800万ポンド(1030万ドル)の、クラウドコンピューティングストレージクレジットを提供することで合意しました。

これに英国政府が上乗せし、クラウドストレージの総額は2,060万ドルになります。

UK Biobankは、研究者が認知症、パーキンソン病、糖尿病、がんなどの病気を予防、診断、治療する新しい方法を開発するのに役立つデータを保存しています。

そのデータには、50万人の英国人ボランティアからの詳細な遺伝子、健康、ライフスタイル情報が含まれており、世界中の研究者がアクセスすることができます。Biobankは、合計で30ペタバイトのデータを保有しています。

今回の投資は、Peter Kyle科学技術担当国務長官によって7月25日に発表されたもので、Biobankはその膨大なデータを安全に保管し取り扱うことができ、AWSのAIと機械学習サービスも利用できるようになります。

同氏は、AWSからのオファーについて、次のように述べています。 「UK Biobankは、認知症から心臓病まで、人類が直面する最大の健康問題に取り組む世界中の研究者を支援しています。この研究は、私たちの生命を改善し、願わくば延命させる治療法の開発に役立っています。AWSの今回の貢献は、政府も同額を拠出することで、UK Biobankがこのような膨大な事業を支えるために必要なクラウドインフラを手に入れることを意味します。これは、産業界や学術界と手を携えて、生命科学の力を活用し、経済の成長とヘルスケアの向上を目指す我々の計画の始まりに過ぎません。」

UK BiobankのCEOで主任研究者のSir Rory Collins教授は、「これは、大規模な大学、慈善団体、企業の研究者だけでなく、資金に乏しい国の研究者や研究を始めたばかりの研究者も、重要なデータにアクセスできることを意味します。さまざまな視点や疑問を持つ多くの研究者が集まってデータを調査することで、世界中のすべての人の生活向上に役立つ可能性が高くなるのです」と語っています。

2023年10月、Biobankに資金を提供するための公的慈善コンソーシアムが設立され、Eric Schmidt、Ken Griffen、英国政府から総額3,200万ポンドの初期資金が提供されました。これで資金総額は、4,800万ポンド(6,182万ドル)となります。

AWSの英国公共部門担当ディレクターのJohn Davies氏は、次のように述べたました。「UK Biobankは、世界最大の全ゲノム配列のデータセットを持っており、20年近く前の高齢コホートからのデータもあります。当社を使用することでUK Biobankは、この膨大な量の健康データを安全に保存し、今後データが増えるにつれてデータプラットフォームを、迅速かつ容易に拡張することができます。データの保存とアクセスに、クラウドインフラストラクチャを使用することで、UK Biobankは機械学習や人工知能などのより高度なデジタル機能のメリットを引き出すこともでき、ヘルスケアにおける研究の進歩をさらに加速させることができます。」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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