Microsoft Azure UK、サーバ供給不足のため一部サービスの新規顧客受付を停止
マイクロソフトのグローバルデータセンターでサーバ不足が起きているとのレポートに続き
マイクロソフトは、サーバ不足がデータセンター展開に打撃を与えたことで、英国を拠点とする一部のサービスの新規顧客受け入れを停止したと報じられています。
The Telegraphの報道によると、マイクロソフトの2つの英国リージョン、UK SouthとUK Westは、Cosmos DBと仮想マシンの新規顧客の受け入れを停止したとのことです。
マイクロソフトはマネージド・サービス・プロバイダーのQuoStar社へのメッセージの中で次のように述べていた、と同メディアは報道しています。「残念ながら、このリージョン(UK South)は需要が高く、現時点でお客様のリクエストを承認することはできない」
このメッセージの中でマイクロソフトは、今後のサービス利用可否について、「2カ月毎」に更新していくと提示しているようです。
The Telegraphは、サービス欠如の責任を、大々的に報じられているウクライナ戦争に押し付けようとし、同社が「ウクライナ政府全体をリモートサーバでホストする」ことに同意したためであると述べています。
しかしこれは完全には正確ではありません。ロシアのいわれのない侵攻を受けて、ウクライナはまずデータをより安全な西側に移し、その後、ポーランドの某プライベートクラウドサービスに多くを移しました。また、フランスやエストニアとも同様の契約について交渉中の状況です。
ウクライナ政府のサービスの一部は実際にMicrosoft Azureに移行しており、同社は17の政府省庁のうち16に対し、クラウドへの移行を支援したと主張し、またマイクロソフト社長のBrad Smith氏は、負荷はヨーロッパ全体に及んでいると述べています。
ホスティングの規模は明らかにされていませんが、マイクロソフトは以前、ウクライナ政府への技術支援(AIツールやサイバーセキュリティも含む)は総額1億ドル程度になると述べていました。尚、マイクロソフトは過去2年間に渡り、同社の欧州地域のデータセンターに対し120億ドル以上を投じています。
ウクライナ政府と企業のワークロードが加わったことで、マイクロソフトの欧州地域のデータセンターにはさらなる負担がかかっていると思われますが、それ以上により広範な機器の供給問題に悩まされています。
先週、The Informationは、世界的なサーバ供給不足の中、世界中のマイクロソフトのデータセンターが、顧客に提供できるサーバ容量が制限された状態で稼働されていると報じました。
同社の20数カ所のデータセンターが、顧客に提供できるサーバ容量が制限された状態で稼働しており、70数か所を超えるAzureデータセンターのサーバ容量は来年初めまで制限されたままになると予想されています。
その後、データセンター業界は、半導体を筆頭に、あらゆる分野で広範な供給不足に見舞われています。半導体不足は今後何年も続くと予想されており、世界中のデータセンターでサーバの導入が遅れています。中でもゲーム会社のスクウェア・エニックスは、サーバを十分に確保できず、人気ゲーム「ファイナルファンタジーXIV」に多くの人がアクセスできない状況に陥りました。
マイクロソフトの広報担当者はDCDに対し、次のようにコメントしていました。「世界中で、クラウドはかつてないほどの成長を遂げている。この急増に加え、業界全体に影響を与えるマクロトレンドもあり、私たちはお客様の容量増加に対応するための措置を講じるとともに、当社のデータセンターへのサーバ配備を急ぎ進めてきた」
「私たちは、お客様のビジネス継続性の確保を最優先に考えている。また、必要に応じて積極的に負荷分散を行っていく。万が一、容量制限を行う必要が生じた場合は、まずトライアルや社内ワークロードを制限し、既存顧客の成長を優先させる」
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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