半導体不足で「ファイナルファンタジーXIV」データセンターのサーバー遅延障害が発生

ゲームソフト「ファイナルファンタジーXIV」の発売元であるスクウェア・エニックス社がサーバーを十分に確保できず、プレイヤーがゲームにアクセスできないという障害が発生しています。

スクウェア・エニックスは、この問題を、データセンター用サーバーに影響を与えた継続的な半導体不足に起因するものであると非難しています。

多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム(MMORPG)「ファイナルファンタジーXIV」は、プレイヤーが「ワールド」に分かれて存在し、1つのワールドに入れる人数には限りがあります。

2013年に発売された本作品ですが、新たな拡張パック「エンドウォーカー」の登場により、新規や復帰するプレイヤーが急増しています。

プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏は、ブログで「新しいワールドを追加する際には、追加するワールドごとに数十台の “サーバーマシン “が必要になる」と述べています。「サーバー機は、数多くの半導体を使用した高性能なコンピューターです。しかし、現在行われているCovid-19対策により、半導体を生産する世界中の多くの工場で、生産停止や人手不足に陥っています」

Covid-19に伴うロックダウンは当初の半導体不足につながりましたが、現在起きている半導体危機はもっと深刻な状況です。多くの工場では、実際には以前よりも多くのチップを生産しているが、半導体需要が急増しているため、供給が制約されている状況です。

吉田氏はこう続けています。「必要なハードウェアを確保するために、通常よりも多くの投資を行ってきましたが、それでもサーバーハードウェアの準備には長いリードタイムが必要です」

また、開発チームはサーバーのソースコードを最適化し、1つのワールドに入れるプレイヤーの数を増やしたそうですが、「現状では、新しいワールドの追加には数ヶ月以上かかることが予想されます」と述べました。

スクウェア・エニックスは現在、北米に3カ所、日本国内に3カ所、ヨーロッパに2カ所の「データセンター」でゲームの運営を行っています。来年2月には、オセアニアにも1カ所設置する計画です。

データセンターといっても、それが地理的に独立した場所なのか、それとも1つの施設内にある単なるサーバー群なのかは明らかではありません。スクウェア・エニックスでは、北米のデータセンターを「エーテル」「クリスタル」「プライマル」、日本のデータセンターを「エレメンタル」「ガイア」「マナ」、欧州のデータセンターを「カオス」「ライト」と呼んでいます。

運用開始時、ユーザーはデータセンターを選択し、次にワールドを選択するよう求められます。同じデータセンターでも、異なるワールドのプレイヤーは交流できますが、異なるデータセンターのプレイヤーは交流できません。

ただし、18ドルを支払えば、ホーム・ワールドやデータセンターを移動させることができるようになっています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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