Aetherfluxの軌道データセンター、2027年第1四半期までに稼働開始予定

同社は宇宙空間での運用によりデータセンターの物流ボトルネックを回避できると主張

宇宙エネルギー企業のAetherfluxは、同社初の軌道データセンターを2027年第1四半期までに商業運用を開始する予定だと発表しました。

このプロジェクトは「Galactic Brain」と呼ばれ、宇宙空間での太陽エネルギーの高い供給能力を活用し、AIの進化を加速させることを目的としています。

Aetherfluxの創業者兼CEOであるBaiju Bhattは、声明で次のように述べています。「汎用人工知能(AGI)をめぐる競争は、根本的には計算能力、そしてその延長線上にあるエネルギーの競争です。現状のエネルギー計画では、十分な速度で到達できないのが現実です。Galactic Brainは、太陽光の隣にシリコンを置き、送電網を完全に経由せずに動作します。」

同氏は、金融サービス企業Robinhoodの共同創業者で元共同最高経営責任者でもあります。2024年10月にAetherfluxを設立し、赤外線レーザーで地球に電力を送る宇宙太陽光発電(SBSP)コンステレーションの構築を目指しています。彼は、2023年公開の映画『Dumb Money』(2021年のGameStopショートスクイーズを描いた作品)にも登場しています。

同社は、AI成長のボトルネックが、データセンター用地の取得、関連する電力接続、建設、そして運用時のエネルギー消費にあると強調しています。これらは通常5~8年を要しますが、低軌道で同様の結果を達成する方が容易であり、このボトルネックを「回避」できるとしています。

Aetherfluxは「データセンターノード」や「データセンター衛星」という用語を使用しており、同社が意図しているのは、データセンター級の計算能力を持つ宇宙プラットフォームではなく、軌道上処理機能とソーラーパネルを搭載した衛星、つまり今日の基準では控えめな設計であることを示唆しています。

同社は、これらの衛星の打ち上げを、既存の宇宙太陽光コンステレーション計画の一環として拡大していくことを想定しています。最初のSBSP衛星の打ち上げは2026年に予定されています。

Aetherfluxは今年前半、シリーズA資金調達ラウンドでIndex、Interlagos、Breakthrough Energy Ventures、Andreessen Horowitz、NEAから5000万ドルを調達しました。俳優 ジャレッド・レトも出資に参加しています。これまでの累計調達額は6,000万ドルです。

データセンターが宇宙でより効率的または便利になる経済的理由については、まだ検証が進められていますが、2025年10月のItalian Tech Weekでジェフ・ベゾス氏が「ギガワット級のデータセンターが20年以内に宇宙ステーションに搭載される」と予測した発言をきっかけに、このテーマは非常に注目を集めています。

この予測を受け、宇宙業界の一部では、エッジコンピューティング対応のプロセッサを搭載した衛星を「軌道データセンター」と呼ぶ動きが見られ、投機的な機運が高まっています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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