
マイクロソフトがオハイオ州リッキング郡の10億ドル規模のデータセンター計画から撤退
マイクロソフトが、オハイオ州リッキング郡でのデータセンター建設計画を撤回しました。
同社はColumbus Dispatch紙に対し、ニューオールバニー、ヒース、ヘブロンにある3つのデータセンターキャンパスに10億ドルを投資するという以前の計画を、もう進めるつもりはないと述べました。
これは、同社による一連のデータセンタープロジェクト中止の最新のもので、最近、米国とヨーロッパ全域で2GWものデータセンタープロジェクトを撤回したとの報道がありました。その直後、さらにAPACと英国でもキャンセルが発生したことが報じられました。
2024年10月、オハイオ州中央部のデータセンターキャンパスに10億ドルを投資する計画を発表しました。
当時、ニューオールバニーのデータセンターキャンパスには4億2,000万ドルが計上され、市議会は同月、マイクロソフトに対する15年間の減税措置を承認しました。
このデータセンターは、Fitzwilliam Lane N.W.の北、Beech Roadとリッキング-フランクリン郡境の間に位置する、200エーカーの敷地に24万5,000平方フィート(2万2,800平方メートル)を建設する計画で、2025年7月に着工する予定でした。
ヒースとヘブロンのデータセンターの場所は特定されていませんが、同社は以前、ヒースのThornwood Drive沿いの227エーカーと、ヘブロンのHigh Street沿いの223エーカーを購入しています。ヒースの開発は2025年夏、ヘブロンは2026年に着工予定でした。
同報道紙に対して、オハイオ州のプロジェクトから撤退するという決定について話す中で、マイクロソフトの広報担当者は、次のように述べています。「オハイオ州政府関係者のリーダーシップとパートナーシップ、そしてリッキング郡の住民の支援に心から感謝しています。」
同社はその後、「土地の所有は継続し、将来的に不特定の時期に開発を進める意向である」と付け加えました。それまでの間、2か所の土地は農業に使用できる状態に保たれ、道路とユーティリティのアップグレードに関する契約を進めています。
マイクロソフトのデータセンタープロジェクト中止のリストは増え続けており、様々な憶測が飛び交っています。証券会社のTD Cowenが最初にこの件に注目し、同社のアナリストは、「リースのキャンセルやキャパシティの延期は、現在の需要予測に比してデータセンターが供給過剰であることを示している 」と推測しています。
これまでのところ、マイクロソフトの姿勢は揺るがず、同社はメディアに対して次のような包括的な声明を発表しています。「これまで行ってきた多大な投資のおかげで、現在および増加する顧客の需要に対応する態勢は整っています。昨年だけでも、過去のどの年よりも多くの生産能力を追加しました。一部の地域では戦略的にペースを上げたり、インフラを調整することもありますが、すべての地域で力強い成長を続けていきます。これにより、将来の成長分野への投資と資源配分が可能になります。顧客の需要を満たすために記録的なペースで成長を続ける中、今年度800億ドル以上をインフラに費やすという計画は、引き続き順調に進んでいます。」
DCDは、この見解が今後も変わらないかどうか確認するため、連絡を取りました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
この記事へのコメントはありません。