OpenAIが韓国に「Stargate」AIデータセンター建設へ

~サムスンとSK HynixがDRAM供給~月間90万枚のDRAMチップが必要に

OpenAIは、生成AI向けのメモリチップ供給を目的に、サムスン電子およびSK Hynix(SKハイニックス)と基本合意書(LOI)を締結しました。

SKハイニックスは別途発表した声明の中で、グループ傘下のSK TelecomがOpenAIと韓国南西部にAIデータセンターを建設する覚書(MOU)を交わしたことを明らかにしました。これはOpenAIの「Stargate」プロジェクトの一環です。

この発表は、OpenAIのCEOサム・アルトマン、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領、そしてサムスン電子とSKハイニックスの会長らがソウルで会談したことを受けたものです。

両社によると、「Stargate」プロジェクトでは、月間90万枚のDRAMウェハーが必要になると見込まれていますが、具体的な時期は明らかにされていません。

SKグループは、新たに発表された「Stargate Korea」データセンターについて、「データセンターの建設・運営における豊富な経験を活かし、次世代のコンピューティングおよびデータセンターソリューションを共同開発する」と述べ、企業・消費者向けのAIサービス活用事例も模索していくとしています。

サムスン電子が、Stargate Korea施設に直接関与するかは不明ですが、同社はSamsung C&T(建設・商社部門)およびSamsung Heavy Industries(造船部門)を通じて、データセンタークラウド、海洋技術分野でStargateプロジェクトに参画すると発表しました。

この協業には、Stargateデータセンターの設計・開発・運営に加え、企業がOpenAIのAIモデルを社内システムに導入するためのコンサルティング、展開、管理支援も含まれます。

特に注目されるのは、浮体式データセンターの共同開発です。サムスンは、土地不足、冷却コスト、炭素排出などの課題に対応できる利点があるとし、浮体式発電所や制御センターの可能性も探ると述べています。

OpenAIは2025年1月、ソフトバンク、オラクル、アブダビのMGXとともに「Stargate」プロジェクトを立ち上げ、今後4年間で5000億ドルをデジタルインフラに投資すると発表しました。

Crusoe、オラクル、OpenAIは、韓国キャンパス全体がStargateに割り当てられるかどうかはまだ正式に確認していませんが、2026年半ばの完成を目指す拡張計画の大部分をOpenAIが担うと広く見られています。

先週、OpenAIは米国におけるStargateデータセンターをさらに5か所発表しており、テキサス州シャックルフォード郡、ニューメキシコ州ドニャアナ郡、そして中西部の未公開地域が含まれています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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