米国家核安全保障局がCrossroadsスパコンにHPE Crayを選定
米国国家核安全保障局(NNSA)は、次世代スーパーコンピュータCrossroadsの契約をHPE Crayと締結しました。
ロスアラモス国立研究所がホストする1億500万ドルのCray EXスーパーコンピュータは、 2022年春に納入され、核兵器研究に使用される予定です 。 Crossroadsは現Trinityスーパーコンピュータの後継機として置き換えられますが、IntelのCPUロードマップの問題が原因で導入時期が遅れ、耐用年数が延長されました。
Putting the Cray in MAD
Crossroadsには、コードネーム「SapphireRapids」とされるIntel Xeonプロセッサと、非公開の「先進的な」メモリアーキテクチャが搭載されます。システムはGPUを使用しない100%CPUで構成され、AIワークロード用のインテル ディープラーニング・ブースト (インテル DL ブースト) テクノロジーに依存します。
Crossroadsは、高精細3D解像度で核兵器のモデル化およびシミュレートに使用されます。これは、今後の核兵器の保守や設計に不可欠であると、ローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)のディレクター Bill Goldstein氏は、次期エクサスケールスパコンEl Capitanシステムの説明会の席でDCDに語っていました。
「3Dの欠如は、作業に不正確さと不確実性をもたらし、もはや満足することはできない」と同氏は昨年述べていました。
「備蓄品は2Dで設計されたが、実際には3年で老朽化している。ElCapitanでは、より高速で詳細な3Dモデリングとシミュレーションが可能となり、最も複雑な計算に必要な時間が短縮される」
El Capitanは2エクサフロップス性能を持ちますが、Crossroadsの正確なパフォーマンスはまだ明らかにされていません。HPEは、CrossroadsはTrinityの約4倍のパフォーマンスを誇り、ピーク倍精度は165ペタフロップスの大まかなベンチマークを達成すると述べています。
HPEのHPC部門のバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー Bill Mannel氏は、次のように述べています。「HPEは、国家核安全保障局(NNSA)向けに数多くのHPCシステムを設計してきた長い歴史があり、本日の発表は、国の核備蓄の信頼性と安全性を維持するための重要な研究ミッションが要求する、強力かつ多様なアーキテクチャを提供するという我々のコミットメントに基づいている」
HPEが、昨年13億ドルで買収したCray部門は、El Capitan、Aurora及びFrontierを含め、米国エネルギー省の今後のスーパーコンピュータ契約の多くを受注しています。
El CapitanとFrontierはAMDのCPUとGPUを搭載し、AuroraはIntelのCPUと今後リリースされるIntel GPUが実装されます。しかし、Intel Xeon Phi製品ラインナップの開発中止と新型7nmプロセッサの開発遅れに伴い既に遅延しているAuroraについては、予定より遅れて納品される可能性があります。
Data Center Dynamics
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