イラン、闇市場からの技術で作られたスーパーコンピュータを発表

イラン政府が、同国でこれまでで最も強力なスーパーコンピュータ「Simurgh」を発表しました。

このシステムの処理能力は現在0.56ペタフロップスだが、2ヶ月後には1ペタフロップスに達すると国営メディアは主張しています。

尚、独自の検証は行われていません。

闇市場のスーパーコンピュータ

テヘランのアミルカビル工科大学で開発されたこのシステムは、これまでのイラン製スパコン比で100倍の性能を誇ると政府は主張しています。

不死鳥フェニックスに似た鳥「シームルグ」にちなんで名付けられたこのスーパーコンピュータは、人工知能のワークロード、交通・気象データ、画像処理などに使用される予定であると国営メディアは説明しています。

同大学内のイラン・ハイパフォーマンス・コンピューティング・リサーチ・センター(IHPCRC)に設置されたシームルグは、地元の民間企業のクラウド・ホスティングにも使用される予定であるとのことです。

イランのモハマド・ジャヴァド・アザリ・ジャハロミ情報通信技術大臣は次のように述べています。「人工知能はイランと世界の経済の未来を担う原動力である。イランの若者たちは、彼らが必要とする処理能力を供給するために、ペタフロップスの処理能力を持つイランのスーパーコンピュータ「シームルグ」の構築に成功した」

具体的なハードウェア仕様については明らかにされていませんが、ボケた写真にはシュナイダーAPCのロゴが写っているようです。

このような機器やスパコンに搭載される米国製のチップは、闇市場を通じて入手しなければなりません。

米国連邦政府は何十年もの間、イランに対し対テロ貿易制裁を科し、核兵器の研究を遅らせようとしてきました。そのため、イランはスーパーコンピュータ用のハードウェアの入手が困難になっており、同等のHPC設備を持つ他の国に比べてかなり遅れをとっています。

しかし、これで完全に締め出されたわけではなく、同国はサードパーティの販売業者を介して違法にハードウェアを入手したり、ダミー会社を通じて正規の供給元から機器を入手して出荷を振り向けたりしています。

アミルカビル大学は、2001年にインテルのPentium IIIプロセッサを搭載した32ノードのPCクラスタを開発し、その1年後にはPentium IVシステムを開発していました。

2007年には、イランは216基のAMD Opteronコアを入手し、当時同国として最強のスーパーコンピュータを開発しました。

ちなみに国家のスパコン以外で、同国最大のコンピュートクラスターは、おそらくビットコインマイニング施設だと見られています。これらの施設では、闇市場からの機器や、制裁の対象外となっている中国製の機器も使用されています。

今年初め、イラン政府は450MWのマイニング能力があるとされているマイニング施設の計画停電を非難しましたが、専門家は、暗号通貨は 「数十年にわたる不始末 」の安易なスケープゴート(転嫁)であると指摘していました。

Data Center Dynamics

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