NTTデータが日本初の国内データセンターREIT参入

ITインフラ・サービス大手のNTTデータグループが、データセンターに特化した不動産投資信託(REIT)市場に参入します。国内企業によるデータセンター特化型 REIT の設立は国内初となります。

2026年3月の運用開始を目指し、資産規模は最大1,000億円を見込んでいます。NTTデータは、この新体制を活用し、AI(人工知能)などによる需要急増を取り込み、データセンター建設を加速させる狙いだとしています。

NTTデータは2025年度までにREIT運営会社を設立するため、投資家から公募または私募で資金を調達する計画で、将来的には新規株式公開(IPO)も視野に入れています。

同社は当初、海外を中心としたデータセンターをREITに拠出し、その管理責任を保持します。株式公開が実現した場合、最初の資産売却額は数千億円から1兆円規模になると予想されます。NTTデータは2026年3月までに約5000億円相当のデータセンターを、このREITやその他の可能性のある手段を通じて売却することを野心的に目標としています。

この戦略的な動きは、データセンター建設に伴う資金需要の増大に対応するものです。NTTデータは、今後5年間でデータセンターに1兆5,000億円以上を投資する計画で、大幅な事業拡大に取り組んでいます。

REITは、データセンター開発に伴う一般的な初期費用に対する解決策を提供します。NTTデータの現在の財務状況を考慮すると、この資金調達メカニズムは特に適切で、同社の有利子負債は2022年3月以降4倍に膨れ上がり、2024年3月には2兆2000億円に達するといわれています。

Equinixや Digital Realty Trustのような業界リーダーがその成功を証明しており、REITへのデータセンター売却は海外では確立された慣行となっています。投資家もまた、その安定性からこのアセットクラスに魅力を感じています。

目先の資金調達効果だけでなく、NTTデータはデータセンターを中核資産から外すことで、全体的な資本効率の向上を目指しています。この戦略的な動きは、収益性を反映する重要な指標である投下資本利益率(ROIC)を大幅に改善する可能性があります。NTTデータのROICは、2024年3月期には4.7%と9年ぶりの低水準に落ち込んでいます。同社は資産を圧縮することで、ROICの大幅な向上を目指しています。



W.Media (Hazel Moises 記者)より抄訳・転載

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