ソフトバンクがIntelとの交渉決裂後にTSMCをAIチップ・プロジェクトに起用

AIチップ分野への参入を狙う

Nvidiaに対抗するAIチップの開発に関するソフトバンクと、Intel(以下「インテル」)の交渉が決裂したと報じられています。

FTによると、インテルはソフトバンクが提示した要件を満たすことができず、同社は、TSMCとの交渉に入ることになったとのことです。TSMCもまた、Nvidiaが今後提供するBlackwellチップに対する需要の高まりにより、生産能力に関する課題に直面しています。

FTは、事情に詳しい関係者の言葉を引用して、ソフトバンクは交渉が決裂したのはインテルのせいで、チップメーカーはコングロマリットが提示したスピードや、数量の要求を満たすことができなかったと述べています。しかし、最先端のAIチップを製造できるチップメーカーの数が限られていることを考えると、両社間の取引はまだ成立するかもしれないと報じています。

これとは別に今週、インテルは英チップ設計会社Armの株式を売却し、118万株の売却で約1億4670万ドルを得ました。

ソフトバンク、インテル、TSMCの3社はいずれも、FTの取材に対しコメントを拒否しました。

ソフトバンクは以前から、AIチップ分野への参入に関心を寄せており、同社の創業者である孫正義氏が、Nvidiaに対抗するために「Izanagi」と名付けられたAIチップベンチャーのために、1,000億ドルの資金調達を検討しているとの報道が2024年2月に初めて浮上しました。

7月同社は、苦境にある英国のAIチップ設計会社Graphcoreを未確認の金額で買収しました。このコングロマリットは、2016年に英国のチップ設計者であるArmを320億ドルで買収し、昨年株式市場に再上場したときには同社の支配権を保持しており、Armの過半数の株式も所有しています。

インテルのファウンドリー事業は、過去数四半期に渡り数十億ドルの損失を計上しており、2024年は厳しい年となりました。インテルファウンドリーは、2024年第2四半期に前年同期比4%の増収を記録したにもかかわらず、同事業部門は同四半期に28億ドルの損失を計上し、2024年第1四半期に記録した25億ドルの営業損失から拡大しました。

2024年第2四半期は、全社で16億ドルの純損失を計上するとともに、Pat Gelsinger最高経営責任者(CEO)は、インテルが100億ドルのコスト削減計画の一環として、15,000人以上の人員削減を行うと発表しました。

財務上の苦境にもかかわらず、同社はかつてのチップ製造の栄光を取り戻すための努力を推し進めています。今月初め、同社は最初の2つの18A製品が工場から出荷され、電源が入り、2025年に生産を開始する予定であると発表しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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