Bain Capitalが中国コンソーシアムにChindataを40億米ドルで売却

米国のプライベート投資会社Bain Capitalは10日、同社のデータセンター部門であるWinTrix DC Groupが、中国事業Chindataの全持分を中国のコンソーシアムに40億米ドルで売却する契約を締結したと発表しました。コンソーシアムは、HECグループにより主導されており、この契約には拘束力があります。

この取引は、中国のデータセンター業界史上最大規模のM&Aとみられており、Bain Capitalのプレスリリースによると、中国における次世代のスケーラブルなデジタルインフラへの投資需要が依然として高いことを示しているとのことです。

このコンソーシアムには、保険会社や地方政府系ファンドなどの機関投資家が含まれています。

かつてChindata Group Holdingsとして知られていたWinTrix DC Groupの中国事業は、2018年以降、北京圏、長江デルタ圏、粤港澳大湾区といった中国の主要経済圏において、ハイパースケールデータセンタープラットフォームとしての地位を確立してきました。

Bain Capitalの中国部門パートナー兼会長であるJonathan Zhuは、次のように述べています。「Chindataの歩みは、優れた経営陣と協力して業界を定義するインフラプラットフォームの構築を目指すBain Capitalの戦略を体現しています。現在、Chindataは中国における主要なデジタルインフラプラットフォームへと進化し、他に類を見ない規模と技術力を誇っています。HECはこのレガシーを引き継ぎ、強力な産業力を活かしてChindataの次の成長段階を支えていくと確信しています。」

ChindataのCEOであるWu Huapengは、プレスリリースで次のように述べています。「Chindataが持つ先進的な冷却技術のリーダーシップと、HECの液体冷却素材や精密製造の専門性を融合することで、電力と計算能力の新たなシナジーモデルを推進し、持続可能な開発の新たなベンチマークを打ち立てます。両社の協力により、Chindataは国家戦略『東数西算』の中核プレイヤーとしての地位を強化し、AI産業のバリューチェーン全体における新たな機会を切り開いていきます。」

HECグループの会長であるZhang Yushuaiは、次のように述べています。「この買収は、HECが国家戦略に参画し、統合型コンピューティングネットワークを推進するための重要な一歩です。取引完了後は、継続性と安定性を最優先とします。HECの液体冷却技術とChindataの能力を融合することで、グリーン電力からAI、運用までを網羅する協働エコシステムを構築し、ハイパースケールでインテリジェントかつ持続可能なコンピューティングインフラを、デジタル経済の基盤として提供していきます。」

W.Media ( Jan Yong 記者)より抄訳・転載

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