BlackstoneがAirTrunk買収で1GW規模のビジネスに

Blackstoneは12月、アジア太平洋および日本(APJ)のハイパースケールデータセンターのスペシャリストである AirTrunkの買収を240億豪ドルで完了し、世界最大級のデータセンタープロバイダーとなりました。創業者でCEOのRobin Khudaが率いるAirTrunkは、オーストラリア、日本、シンガポール、マレーシア、香港に資産を有し、すでにアジア太平洋地域最大のデータセンタープロバイダーへと成長を遂げていました。しかしBlackstoneは、AirTrunkにはまだまだ成長の余地があり、1000億豪ドルのビジネスに成長させたいと考えているようです。

Blackstoneの不動産部門のグローバル共同ヘッドであるNadeem Meghjiは、最近のインタビューで次のように述べました。「AirTrunkが歩む道は広大です。同社のリースパイプラインは2024年初頭から飛躍的に伸びており、地域全体で1GWを超える将来の成長を支える開発可能な土地を所有しています。私たちは、同社が既存市場で能力を拡大し、新規市場への参入を模索し、持続可能性のリーダーとして行動し続けることを支援しています。」

「Blackstoneとしては、本当に始まったばかりです。当社のポートフォリオは、建設中の施設を含めた700億ドルのデータセンターと、1000億ドルを超える開発見込みのパイプラインで構成されています。当社の目標は、AIインフラへの世界最大の投資家になることであり、世界中の最大かつ最も価値のある企業の信頼できるソリューション・プロバイダーとして機能することです。」

Blackstoneのインフラ部門のグローバルヘッドであるSean Klimczakは次のように述べました。「BlackstoneのQTSでの経験は、AirTrunkに対して、私たちが彼らの業界を真に理解しており、彼らの拡大を支援できることを示しました。取引を完了し、将来の成長を促進するために必要なすべての資本を代弁する当社の能力が、競合他社との差別化をもたらしました。」

Blackstoneは、2021年に米国と欧州のデータセンタープロバイダーであるQTSを買収しました。これは当時データセンター史上最大となる100億ドルの取引でした。それ以来、需要の高まりと供給制約の強化により、市場賃料は84%上昇したと、Meghjiは述べました。同氏は続けて、以下のように述べました。「このような背景のもと、私たちはQTSを世界で最も急成長しているデータセンター企業にするため、多額の資本を投資してきました。」

「QTSは私たちの傘下に入ってからの3年半で、900%以上の成長を遂げました。また、インドでデータセンタープロバイダーのLumina CloudInfraを立ち上げ、データセンタープロバイダーのDigital Realtyと合弁会社を設立し、2大陸にまたがる4つのハイパースケールデータセンターキャンパスの建設を支援しています。」

2025年の投資はすでに進行中

AirTrunkのCEOであるKhudaは、新オーナーであるBlackstoneの支援を高く評価し、2025年を同社にとって極めて重要な年と位置付けています。たとえば、シンガポールとジョホールはAirTrunkにとって重要な市場です。両市場は東南アジアにおけるデータセンターとAIのハブだからです。シンガポールでは、AirTrunkはすでに10億ドルを投資しており、マレーシアでは、2022年初頭に10億豪ドル以上の直接投資によるジョホールバルデータセンター(JHB1)のフラッグシップを発表し、先陣を切った、と同氏は述べました。

「2020年以降、AirTrunkはマレーシアで最大の、そしてシンガポールでは12番目のオーストラリア企業投資家となっています。過去100年間、多くのオーストラリア企業が成功させることができなかった、アジア、特に急成長を遂げる東南アジア経済圏に、オーストラリアを近づけることができるのです。」

Khudaは、ジョホール州の経済特区が最近開通したことで、データセンター企業にとって大きなチャンスが広がると付け加えました。「まもなく、AirTrunkはシンガポールとジョホールの両国で数十億ドル規模の投資を発表し、東南アジアにおけるクラウドとAIの成長を加速させるという我々のコミットメントをさらに強化することになる」と、彼は最近LinkedInに投稿しています。

W.Media ( Nick Parfitt 記者)より抄訳・転載

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