Keppelがデータセンター容量を約2倍の1.2GWにする見通し
APACでグリーンフィールドキャンパスを検討し、欧州でも機会を窺う
資産運用会社のKeppelは、今後数年間でデータセンター保有施設の拡大を目指しています。
Keppelのデータセンターポートフォリオは現在、ヨーロッパとアジア太平洋地域で合計35施設、650MWの電力容量があります。このうち約22万MWは、シンガポールのGenting LaneにあるKeppel Data Centre Campus、および東京と台湾にそれぞれある2つの新しいプロジェクトで、様々な開発段階にあります。この容量の4分の3以上は、2024年から2027年の間に稼働する予定です。
KeppelのCEOであるLoh Chin Huaは、次のように述べました。「私たちは、インフラとデータセンター分野における今後の多くの機会に興奮しています。急速なデジタル化が進む中、Keppelはアジア太平洋とヨーロッパに35のデータセンターを保有し、ハイパースケーラーからのAI対応データセンターに対する需要の高まりに応える態勢を整えています。」
「当社は、Keppelの統合エコシステム内の複数の資本プール、電力、冷却、その他の重要な能力およびリソースへのアクセスを活用し、データセンターポートフォリオを現在の総電力容量650MWから近いうちに120万kWまでスピードと規模を拡大することを目指しています。」
同氏は決算説明会にて、KeppelはAermont Capitalと共同で欧州のデータセンター向けの別個のスリーブも「初期段階にある」と述べました。
同社の650MWのうち、約70%が稼働中です。シンガポールで約200MW、その他のAPAC地域(オーストラリア、日本、中国、マレーシア)で350MW、欧州(英国、ドイツ、アイルランド、イタリア、オランダ)で100MWの発電能力を有しています。これら35施設のうち、23施設はKeppel DC Reitが所有し、総面積は300万平方フィートです。10施設はKeppelと民間ファンドが所有し、総面積は159万平方フィートです。
同社は、今後予定されているData Centre Fund IIIやその他の共同投資を通じ、近い将来500MW以上の成長が見込まれると述べています。
決算説明会でLoh Chin Hua CEOは、マレーシア、インド、日本、インドネシアでAIキャンパスを検討していると述べました。また、この数字には、同社が計画している浮体式DataPark+プロジェクトが含まれていないとしました。
Keppelは、今後予定されているData Centre Fund IIIとさらなる共同投資により、近い将来、運用中のデータセンターファンドを90億シンガポールドルから190億シンガポールドルに倍増させることを目指していると述べました。20億米ドルのData Centre Fund IIIは、年末までに最初の3億米ドルのクローズを達成する予定です。
同社が建設に重点を置くのか、それとも購入に重点を置くのかという質問に対し、Loh Chin Hua CEOは次のように答えました。 「これらのデータセンターのほとんどはグリーンフィールドで建設されるため、おそらく3年から5年はかかるでしょう。その間に、もし買収機会があれば、それも視野に入れます。」
また、Aermontとの提携について、次のように付け加えました。「彼らも欧州のデータセンターにおける買収機会に注目しています。その点で、我々は彼らをサポートするつもりですし、これまでもサポートしてきました。同時に、Aermontと協力することで、グリーンフィールドやブラウンフィールドからヨーロッパにおけるデータセンターのビジネスチャンスを掘り起こすチャンスもあると思います。」
Aermontは、欧州の不動産投資に特化したアセットマネジメント事業を展開しています。現在までに、同社は欧州で約130億ユーロの投資ファンドやビークルを設立しています。Keppelは今年初めにAermontの株式の50%を取得し、2028年までに残りの50%を取得する予定です。
シンガポールの増大するエネルギー需要を支えるため、Keppelのインフラ部門は、発電と地域輸入により、2030年までにエネルギー供給を2倍の3GWにする計画もあるとのことです。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
この記事へのコメントはありません。