光学データストレージ企業SPhotonixが450万ドルを調達

レーザーを使用して耐久性のある石英ガラスにデータを書き込む

光データストレージ企業SPhotonixは、Creator FundとXTX Marketsのベンチャーキャピタル部門であるXTX Venturesが主導するプレシード資金調達ラウンドで450万ドルを調達しました。

同社は、今回の資金調達により、フォトニクスおよびエンジニアリングチームの規模を拡大し、米国および欧州での研究開発活動を拡大し、光学およびデータストレージ技術に対する高まる需要に対応できるようになると述べました。

20年にわたる開発を経て、2024年にPeter Kazanskyと Ilya Kazanskyによって設立された同社の5D光データストレージ技術は、レーザーを用いて耐久性のある石英ガラスにデータを書き込むものです。長期保存可能なアーカイブストレージとして設計されており、顕微鏡検査、高出力レーザー(HPL)、航空宇宙、半導体製造などの用途にも使用されています。

Ilya Kazanskyは次のように述べています。「当社のデータストレージのユースケース、特にコールドストレージおよびアーカイブストレージ向けの現在および将来のクラウドソリューションの一部として見ると、市場機会は非常に大きいといえます。過去4年間でデータ生成量が133%増加したことで、世界のデータストレージ容量は逼迫し、持続不可能な状況に陥っています。Grand View Researchによると、コールドデータストレージ市場は2030年までに4,000億ドルを超えると予想されており、当社の光データストレージソリューションは、この膨大なニーズに対応する実績ある新技術をリードしていくでしょう。」

昨年、Peter Kazanskyは、数十億年分のヒトゲノム(15GB)を5Dメモリークリスタルに保存し、最近ではウィキペディア全体を小さなクリスタルに保存したと発表しました。

Ilya Kazanskyは次のように述べました。「この資金によって、世界をリードする専門家を採用し、5D光学技術を地球や宇宙にあるデータセンターに導入するために必要なTRL(技術成熟度レベル)段階でイノベーションを起こす能力が開かれました。これは、書き込み可能および書き換え可能な形式で最近達成したブレークスルーに基づくものです。さらに、ハイパースケーラーやエコシステムにおける企業パートナーからこれまで寄せられてきた関心を捉え、活用することで、近日中に発表される進歩のための適切なパートナーシップを構築できるようになります。これは私たちの歴史において、本当にエキサイティングな瞬間です。」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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