ケッペル、データセンター向けに水素の輸入を検討する基本合意書に署名

Keppel Data Centres(ケッペル・データセンター)は、同社のデータセンターの電力に必要な液化水素(LH2)の供給インフラ開発を共同検討するために、複数の関係企業とのMoU(基本合意書)を締結しました。

この基本合意書は、川崎重工業株式会社、Linde Gas Singapore Pte Ltd(以下、リンデ)、株式会社商船三井、Vopak LNG Holding B.V.の5社で署名されました。

5社は、LH2サプライチェーンの技術的・商業的実現性を共同で研究します。この研究では、生産・液化プラント、輸出国での輸出ターミナル、外航タンカーによる輸送、シンガポールでの輸入ターミナル、貯蔵ユニット、再ガス化施設の実現性などの検討が行われます。

この研究は、この協力関係の次のフェーズが決定される2021年末まで継続されます。

「当社は、ケッペル・グループの能力を積極的に活用するとともに、業界のパートナーと協力して、水素、フローティング・データセンター、CCUS(炭素回収・利用・隔離)技術など、さまざまなグリーンソリューションを検討している。今回の基本合意書により、発電に持続可能なエネルギー源を活用する我々のチャレンジへの新たな一歩を踏み出すことができる」Keppel Data CentresのCEOであるWong Wai Meng氏はこのように述べています。

Keppel Data Centresにとって、水素は初めての試みではありません。昨年、Keppel Data Centresと三菱重工アジア・パシフィックは、シンガポールのデータセンターに水素を利用する発電所の導入を共同検討する基本合意書を締結しました。

また、今年初め、Keppel Data Centresは、米国の科学・エンジニアリング企業であるKBRとも提携し、データセンターに水素ベースのエネルギーを供給するシナリオに関する評価を行いました。

エネルギー源としての水素は、温室効果ガスを排出せずにエネルギーを放出するため、より環境に優しいとされています。ただし、これは再生可能エネルギーを利用しての製造が前提ですが、国土の狭いシンガポールでの再生可能エネルギーは非常に限られています。

液化水素の生産・出荷・輸入が可能になれば、シンガポール国外の大規模な太陽光発電所や風力発電所など、 再生可能エネルギー で生産されたLH2を輸送することが可能になり、データセンターの脱炭素化を実現する現実的な道筋となります。

Data Center Dynamics

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