
米国、科学の進展に向け政府データセットでAIをトレーニングするGenesis Missionを始動
DOEのスーパーコンピュータとクラウドを利用
米国ホワイトハウスは、連邦政府の科学データセットをAIモデルに取り込む「Genesis Mission(ジェネシス計画)」開始しました。
エネルギー省(DOE)が主導するこのプロジェクトでは、AIエージェントや科学分野の基盤モデルを構築・トレーニングし、科学的発見のスピードを高めることが期待されています。
大統領令でこの取り組みを開始したドナルド・トランプ大統領は、次のように述べています。「我々は、半導体や高性能コンピューティングにおける数十年の革新を基盤に、進行中のコンピューティング革命を国家の利益のために活用します。」
「Genesis Missionは、科学的発見を劇的に加速し、国家安全保障を強化し、エネルギーの優位性を確保し、労働生産性を向上させ、研究開発への納税者投資のリターンを増大させることで、米国の技術的優位性と世界的戦略的リーダーシップをさらに推進します。」
このプログラムでは、DOEのスーパーコンピュータ、クラウドベースのAIコンピューティング環境、その他の連邦コンピューティングリソースが活用されます。
大統領令では、産業界のパートナー企業を含む「利用可能なリソース」を含め、90日以内に必要な計算能力、ストレージ、ネットワーク資源を確保することが求められています。
120日以内に、DOE長官は初期のデータおよびモデル資産を特定し、デジタル化、標準化、メタデータ、来歴管理を含む計画を策定します。また、連邦資金による研究、他の政府機関、学術機関、承認された民間パートナーからデータセットを取り込む計画も立てます。
また240日以内に、AIによる実験や製造を行えるロボット研究所や生産施設を含む、DOE国立研究所やその他の連邦研究施設の能力が評価されます。これには、自動化およびAI強化ワークフロー、関連する技術・運用標準も含まれます。
さらに270日以内に、国家の科学技術課題のうち少なくとも1つに対して「アメリカ科学・安全保障プラットフォーム」の初期運用能力が実証される予定です。
これらの課題には、先端製造、バイオテクノロジー、重要素材、核分裂・核融合エネルギー、量子情報科学、半導体・マイクロエレクトロニクスが含まれます。
民間企業も科学データを活用してAIシステムを構築し、自律的な科学実験を行う動きが広がっています。その中には、自律型ラボの構築を目指すPeriodic Labsや、ジェフ・ベゾスの非公開のプロジェクト「Prometheus」などがあります。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















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