AIが今後のデータセンター設計を根本的に変える:JLLレポート

人工知能(AI)、機械学習(ML)、モノのインターネット(IoT)など、新たな技術の採用が増加することで、データセンターの設計・構築方法が今後大きな影響を受けるだろうと、Jones Lang LaSalle(JLL)のレポートが伝えています。

Data Centers 2024 Global Outlookと題されたレポートによりますと、データセンター業界は、クラウドサービスに対する継続的な需要の高まりと、世界的なWEB対応デバイスの利用拡大に牽引され、過去10年間で爆発的な成長を遂げてきました。2024年の今、AIと機械学習がデータセンターの設計、サイト選定、投資手法の根本的な転換を促しています。

同レポートはさらに、「AIの高密度化に対応するために必要な高度に専門化された設備、特に液冷は、従来の設備設計を一変させるでしょう。データセンタープロバイダーは、これらの新しい要件をサポートするために設計を急速に変更しています。生成AIは、標準的なデータセンターに見られるフレームワークよりも、より高密度にクラスタ化され、性能集約的なITインフラを必要とし、より多くの熱を発生さ せます。ジェネレーティブAIのワークロードによって消費される電力は、従来のITワークロードよりも変動が大きく、施設の全体的な効率を最適化する上で課題が生じるのです」と説明しています。

同レポートは次に、AIの採用拡大がデータセンターのラック密度に及ぼす可能性のある影響について、生成AIの急速な採用は、ラック電力密度の上昇軌道を継続さ せるでしょう。平均ラック密度はここ数年ゆっくりと上昇しており、今後数年で大きく跳ね上がるでしょうと述べています。

そして、International Data Corporation(IDC)の「DC Deployment Model and Spend Forecast, 2H22: 2022-2027」と題されたレポートの調査結果を参照し、AIとハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)の導入の最前線にいるハイパースケーラは、高密度インフラに対する最大のニーズを持っています。現在、ハイパースケーラの大規模施設では、ラックあたりの平均密度が36kWと推定されているが、IDCは、今後数年間で年平均成長率(CAGR)7.8%で成長し、2027年には50kWに近づくと予測しています。多くのAIクラスター要件は、80~100kW/ラックに達すると予測されています。

W.Media ( Deborah Grey 記者)より抄訳・転載

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