
APACが2030年に世界最大のコロケーション市場へ
総容量と賃料収入に基づく市場規模で米国を上回ると予測
不動産会社Cushman and Wakefieldのレポートによると、APACは2030年までに最大のコロケーション市場になるとのことです。
同地域は、総設備容量とレンタル料収入でトップに立つと、予測しています。
『Asia Pacific Data Centre Investment Landscape』では、2030年までにAPACは23,904MWの容量を保有し、米国の18,256MWを上回ると予測しています。
レンタル料収入に関しては、2030年にはAPACの年間レンタル料の72%(約440億ドル)が、日本、中国本土、オーストラリア、インド、マレーシアのキャパシティの降順でランク付けされた5つの主要市場によって生み出されると予測しています。
Cushman and Wakefieldのアジア太平洋データセンターグループのインサイト&分析責任者であるPritesh Swamyは、次のように述べています。「様々な予測モデルによると、APACは2028年か2029年に米国を抜いて最大のコロケーション市場になると言われています。人口差に基づけば、これは予想されることですが、それでも米国市場の厚みと成熟度を考えれば重要なことです。」
同レポートはまた、APACデータセンター市場の現在のダイナミクスについても詳述しています。例えば、APAC全体の1MWあたりのサービス対象人口は35万人で、19,314人の米国を大きく上回っています。言い換えれば、米国はAPACの平均よりも人口に対するデータセンターのキャパシティが大幅に多いということです。
とはいえ、香港、シンガポール、オーストラリア、マレーシアは、1MW当たりのサービス提供人口が米国より少ないですが、地域平均を決定する際には、ベトナム、フィリピン、インド、インドネシア、中国本土の人口に対するデータセンターの少なさによって、これらの数字は大きく相殺されます。
このレポートでは、米国とAPACの間のこの密度差は縮小し、後者のMW当たりの人口は2030年までに158,000人程度まで減少すると予測しています。
全体として、APACはアメリカ大陸やEMEAよりもコロケーションデータセンターの比率が高く、それぞれ85%、58%、75%となっていますが、レポートでは、クラウドやAIサービスの需要に対応するため、アメリカのハイパースケーラがコロケーションデータセンターに依存しているため、この差は2030年までに若干縮まると主張しています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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