サプライチェーンの問題がデータセンターの障害を増加
AFCOMの年次報告書「State of Data Center 2023」によると、データセンターの障害はサプライチェーンの問題との関連が指摘されています。
AFCOMは、ITおよびデータセンターセクターにおける市場調査を、業界会員を対象に行なっています。
同レポートによると、調査対象となったデータセンター事業者の44%が、必要な部品が手に入らなかったために障害に見舞われており、94%が何らかのサプライチェーン問題に直面したことがあると回答しています。
AFCOMのプログラム・チェアを務めるビル・クレイマン氏によると、サプライチェーンに起因する障害は劇的に増加しているとのことです。
問題の大半は、サーバーやスイッチなどのIT機器の購入で、その割合は回答者の59%を占め、一方、発電機やUPSなどの電源システムは51%を占めました。
CBREの調査にあるように、データセンターに対する需要は引き続き高く、世界的な建設・開発プロジェクトが進行中であるため、サプライチェーンの制約が続いているのは当然といえます。
「サプライチェーンがいかに脆弱であるかが分かってきたと思う。需要は膨大です。そのため、多くのメーカーは、単に需要に追いつこうとしているだけなのです。パンデミックは本当に加速装置だった。そして今、私たちはサプライチェーンの問題から抜け出そうとしている」とクレイマン氏は語っています。
ハイパースケールデータセンターでは、コロケーションやエンタープライズ施設よりも機器の寿命を延ばすことに積極的であるため、この問題はより顕著であるとクレイマン氏は付け加えています。
クレイマン氏の今後のアドバイスとしては、重要な部品は可能な限り備蓄し、IT機器はリサイクル品の利用を検討し、また複数のベンダーから調達することだとしています。
Uptime Instituteが2022年6月に発表した障害分析によると、障害の発生頻度が増加しているわけではないものの、以前よりも長期化し、費用も増加しているとのことです。
2023 年もすでにいくつかのデータセンターで障害が発生しています。オーストラリア、米国、ニュージーランドの病院がその影響を受けているほか、パリのGlobal Switchデータセンター、カリフォルニアのDigital Realty施設、ナイジェリアのデータセンターなど、いくつかのデータセンターが火災発生後の障害に見舞われています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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