欧州委員会、Microsoftのアイルランド訴訟に対するデータ保護方針を明らかに
来年の米国防総省の判決に先んじて、欧州の法律が十分に理解されることが目的
欧州委員会は、米国司法省とMicrosoftの訴訟に関して意見陳述書を提出しました。米国当局側が6月の判決を目指して米連邦裁判所に控訴したためです。司法省は、2014年にアイルランド在住者が容疑者とされる麻薬取引に関連して、Microsoftがアイルランドデータセンターのサーバーに保存している電子メール情報を引き渡すよう要求しました。
関与はしない、しかし…
欧州委員会によると、今回の意見陳述書では「どちらか一方を擁護するものではない」と主張しています。
「今回の裁判は、米国の通信慣行法を適用して、米国のサービス事業者が国外のサーバーに保管している顧客の電子メールアカウント情報を、米国の連邦裁判所が要求できるのかという疑問を提示したものだ。今回は、それがEU域内のアイルランドだったと言うこと。Microsoftが個人情報データをEU域内から米国へ移転する行為がEUのデータ保護法の監督下にあるとすれば、欧州委員会は、電子データのEU域外移転行為に対するEUのデータ保護法が正しく理解され、米国最高裁判所がこのことを考慮するよう釘を刺しておくことは、EUの利益に適っていると言う認識」と表明しています。
米国では、多国籍企業が米国外に保存しているデータは、強制引き渡しの対象外とする電子通信プライバシー法が更新されました。現在の連邦法では、データ保管場所が米国内であれば引き渡しは強制です。この法案は上院司法委員会と下院に提出されました。この法案は、米国政府とデータセンター所在地の国家の2国間で合意されない限り適用されます。
水曜日、司法省は次回控訴概要を提出しました。「米国の電子メールサービス企業は、確証がなくても、一旦18 U.S.C.2703に基づく令状が出されてしまったら、たとえ、その事業者がデータを海外に保管することを決定したとしても、米国電子データ通信法の下、保有データの開示命令に従わざるをえないのか」と言う問題に決着を付けることになるでしょう。今回の裁判で司法省が勝てば、米国の多国籍企業のデータ保管ポリシーを抜本的な改革につながる可能性があります。
– Data Center Dynamics
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