【報告】豪州の森林火災による通信サイト停止の多くは停電が原因
オーストラリア政府委託による報告によると、1,390か所もの通信サイトが、2019年後半から2020年前半に掛けてオーストラリア全土に大混乱をもたらした森林火災の影響を受けていたことがわかりました。
モバイルおよび固定無線基地局、ノード、交換局、通信機器シェルター、メタルおよび光ファイバケーブルも含め、施設の77%が停止したようです。つまり、コミュニティが、最も必要なときに助けを求めることができなかったことを意味します。
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1,390の施設のうち、51%は4時間を超える停止、26%は4時間未満の停止を余儀なくされ、23%は影響を受けたものの停止は免れました。
この事故による平均停止期間は3.5日でしたが、中央値は1.6日でした。しかし通信機器シェルターは23日と、平均より大幅に長い復旧時間がかかりました。
オーストラリア通信メディア庁の報告書によると、停止事故の1/3については、サービス復元に向けて、電気通信キャリアは一時的な回復措置を取ることができたと言います。しかし、残り3分の2のケースは、倒木などの要因で、復旧に向かうためのサイトへのアクセス自体が困難に直面してしまったようです。
このBushfire(オーストラリアの森林火災の通称)全体を通じて、51kmに及ぶメタルケーブルに加え、8.8kmの光ファイバケーブルと架空伝送リンクも損傷し、交換を余儀なくされました。
【参考:オーストラリアの森林火災】
オーストラリアの森林火災(英語:Bushfires in Australia)は、オーストラリアで発生する森林火災である。人間や動物たちの多くを死傷させているが、その一方オーストラリアの原生植物の一部は、繁殖の手段として火災を利用する形に進化している。例として、バンクシアという植物は、火災の刺激を受けて種をまくようになっている。このようにオーストラリア大陸で発生する火災は自然環境の一環として、生態系に受け入れられていた。また原住民のアボリジニも、降雨量が多い限られた地域で焼畑農業で野焼きを行っていた。しかし、西洋人の無計画な森林伐採・野焼き・火の管理と、燃えやすい植物の導入、そして気候変動により、森林火災が拡大するようになった。
‐ウィキペディアより一部引用
「多くの停止事故は、直接的な火災による損傷が原因ではなく、停電により引き起こされた。」とACMAの報告書(※図を参照)では述べられています。
「直接の火災による損傷は、停止事故原因の1%しか占めていません。このことで、主電源への依存がネットワークの レジリエンス 力に影響を与えていることが分かります。」
しかし、火災で直接影響を受けたものは、最悪の打撃を受けました。火災の直接被害を受けた11の移動基地局のうち、1月31日までに復旧したのは1つだけでした 。「残りの10施設は2019年12月20日から2020年1月3日にかけて損傷し、レビュー期間の終了時点でも復旧しなかった。」とACMAは述べています。
この火災により、推定で186,000平方キロメートル(72,000平方マイル)の土地が焼失し、5,900棟を超える建物が破壊し、少なくとも34名が死亡しました。そして、現時点は本質的に絶滅していると見られている絶滅危惧種を含め、およそ10億匹の動物が殺されました。
Data Center Dynamics
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