イベリア半島の停電について、スペイン政府が送電網運営会社に責任があると非難

政府は、Red Eléctricaがその日の電力需要の容量を誤って計算したと主張

4月にデータセンターを含むイベリア半島の大半を停電させた大規模停電は、一連の小さな相互作用の問題の結果であったとスペイン政府が発表しました。

政府の調査によると、スペインの送電網運営会社であるRed Eléctrica de Españaがシステムの小さな不安定性に対処するために行った対策が、実際にはより深刻な問題を引き起こし、高電圧によって発電所が送電網から落ちるという自己強化型カスケードを引き起こしたことが判明しました。

スペイン副首相兼エコロジー移行担当大臣のSara Aagesenは、報告書から、Red Eléctricaがその日に必要な電力容量を誤って計算し、システムに「十分な動的電圧容量がない」ことを示したと述べました。

また、規制当局が別の火力発電所のスイッチを入れる必要がないと判断し、入れなかったことが問題を複雑にしているとのことです。報告書によると、送電網運営者は停電の当日、電圧調整に対応できる発電所を2025年最低水準となる10基しか持っておらず、その後いくつかの発電所が対応に失敗し、さらなる問題に発展したようです。

さらに、一部の送電網のハードウェアが、機器を保護するために切り離す必要があるしきい値に達する前に切り離されたことが判明し、これが電圧の変動とスペイン北部と南部の間の不均衡につながったことも明らかになっています。これが最終的にシステムの停止につながり、スペインとポルトガルの両国で大規模な停電が発生したと見られています。

Aagesen大臣はまた、停電前に送電網の電圧調整を怠った民間の発電会社を非難し、次のように述べました。「電圧を制御するはずの発電会社は、そのためだけに給料をもらっていたにもかかわらず、緊張が高まったときにすべての電圧を吸収しませんでした。」

Red Eléctricaはその後、報告書の調査結果に異議を唱えました。同社のConcha Sanchez事業部長は、独自の調査で発電所の切り離しに異常が見つかったとし、停電の原因について完全な報告書を発表すると述べました。

停電は地域のインターネットと通信サービスに大打撃を与えました。スペインでは、送電網が故障したため、インターネットのトラフィックは前週に比べて60%減少し、その後5時間以内に前週比約80%まで落ち込みました。

この地域一帯にセルタワーの大きなフットプリントを持つワイヤレス事業者は、ネットワークをオンラインに保つためにバックアップ発電に頼りました。

データセンター部門は、ディーゼルのバックアップ発電機に頼ることで、停電の最悪の影響を避けることができました。

Equinixは、DCDスペインに対し、次のように語りました。 「スペインとポルトガルにあるEquinixのデータセンターは、停電の間中、完全に稼働しています。電力供給が停止した後、サービスを中断することなく提供できるよう、緊急システムが作動しました。電力供給の復旧に伴い、スペインとポルトガルのEquinix Data Centerはすべて正常に稼動しています。」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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