インテルとAMDがロシアへのチップ販売を停止、TSMCも制裁に参加

ロシアを最新チップから切り離す

米国のチップメーカーであるインテルとAMDは、欧米諸国がウクライナ侵略を理由にロシアに対して積極的な制裁措置を講じたことを受け、ロシアへのプロセッサ販売を停止しました。

世界最大の受託半導体メーカーである台湾積体電路製造股份有限公司(TSMC)は、ウクライナ侵攻を理由に欧米がロシアに積極的な制裁を加えたことを受け、ロシアのパートナーとはもう仕事をしない、と連絡を取り始めています。

インテルは、「当社は[外国資産管理局]が出した新しい制裁や[産業安全保障局]が出した規制など、事業を展開している国で適用されるすべての輸出規制と制裁を遵守しています」と声明で述べています。

技術的には、米国の制裁は軍事目的に使用される半導体、または民生と軍事の両方をカバーできるデュアルユースチップのみを対象としているようです。しかし、インテル社とAMD社は、どの製品が影響を受けるか判断できるようになるまで、包括的な禁止を実施したと考えられています。

先週台湾は、ロシアを制裁すると述べていますが、それが台湾の最も重要な輸出品である半導体を対象とするかどうかは不明でした。現在TSMCはロシア企業に対して、チップを作らないことを伝え始めています。

これは、Baikalチップの製造元Baikal Electronics社を対象としています。MCST、Yadro、STCモジュールのチップも対象になりそうです。

ロシア国内のMikron半導体製造工場は、65nmプロセスノードのチップ、つまりIntelが20年近く前に製造していたようなチップが製造できます。同社は制裁を受け、最新設備へのアクセスが制限されています。

米国は、通信システムインテグレーターのSyrus Systems、電子部品会社のSpecelkom、エレクトロニクス会社のRadiant Group、Petersburg Electronic Company、エレクトロニクス販売会社のNeva Electronica、MicroComponent LLCといったロシアのハイテク企業にも具体的に制裁を加えています。

半導体産業協会によると、ロシアは世界の半導体売上高の数パーセントを占めるに過ぎません。

制裁が長引けば、現地のスーパーコンピュータ企業やデータセンター企業は、イランが限定的なHPCを導入しているように、闇市場で機器を入手することを検討するかもしれません。イランは中国からもチップを輸入していますが、これもTSMCやインテルが製造するものほど高度なものではありません。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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