Marvell Technology、クラウド向けネットワークチップ市場シェア拡大に向けInnoviumを買収
半導体メーカーのMarvell Technologies社は、クラウドおよびエッジ・ネットワーキング・ソリューションを提供するInnovium社を11億ドルで買収することに合意しました。
この全株式取得により、Marvellは、全体的なクラウド化への移行が進み急速に成長しているクラウドコンピューティング向けネットワークチップ市場で、より大きなシェアを獲得することになります。
Marvellは、Innoviumのバランスシート(貸借対照表)から1億4500万ドルの現金を獲得するので、Marvellにとっての実際の純費用は9億5500万ドルとなります。
今回の買収は、Marvellが4月に行った100億ドル相当のInphi社買収と結びつくものです。Inphiは、光ファイバーケーブルでデータ転送を行うチップを製造しており、ハイパースケール顧客に絶大な人気を誇っています。
一方、Innoviumは、現在Broadcomが独占している、スイッチ自体のコアとなるチップを開発しています。
Marvellは、InphiとInnoviumの製品を自社の製品と組み合わせることで、クラウドコンピューティング向けネットワーク市場でのシェアを拡大したいと考えています。しかし、クラウド企業自身もこの分野に積極的に参入しています。例えばAmazon Web Servicesは、Broadcomとの関係性が悪化したことを受けて、自社のネットワークスイッチ用にカスタムシリコンチップを開発していると報じられています。
Marvellのマット・マーフィーCEOは次のように述べています。「Innoviumは、実証済みのプラットフォームを持つ強力なクラウドデータセンターマーチャントスイッチシリコンプロバイダーとしての地位を確立し、そして何世代にもわたり優れた製品を世に送り出してきた、業界でも有数の実績を持つ有能なチームと一緒に働けることを楽しみにしている」
非上場のInnoviumは、来年度に1億5,000万ドルの収益を見込んでいます。
Innoviumの創業者兼CEOであるRajiv Khemani氏は次のように述べています。「Marvellとの提携を進める中で、データセンターに最適化された当社のポートフォリオと、Marvellの規模、最先端なテクノロジー基盤、そして補完的なポートフォリオを組み合わせることで、当社の成長と、クラウドやエッジ向けに画期的なスイッチシリコンを提供するというビジョンを加速できることが明らかになった」
「我々が協力することで、クラウド規模のデータセンター、企業ネットワーク、5Gなどの最も重要なセグメントをターゲットとした最先端のイーサネットスイッチポートフォリオを提供することができる」
Khemani氏は、2021年末までに予定されているこの取引完了後、ビジネス・アドバイザーに就任します。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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