英国の規制当局がNvidiaのArm買収をレビュー

英国政府のCompetition and Markets Authority(CMA: 競争市場庁)は、Nvidiaによる英国のチップデザイナーArmの買収に関する調査を、今年の後半に行うとしています。

米国のチップメーカーNvidiaは、昨年10月にArmを400億ドルで買収する計画を発表しましたが、Armのチップライセンスビジネスモデルについては実質的に変更しないと主張しています。同社はまた、英国に対する投資を行うことを約束し、エセックスのKaoDataデータセンターに英国最速のスーパーコンピュータを構築すると約束しました。

Armは現在のところ、日本の通信事業者及び投資会社であるSoftBankが保有しています。

Armの中立性に関する問題

CMAは、英国国内での競争に対し考えられる影響と、「Armが、Nvidiaの競合企業に対し、IPライセンスサービスの撤回、価格の引き上げ、または品質低下を行う動機があるかどうか」についての調査を行います。当局は、買収の潜在的な影響について第三者からのコメントを求めています。画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: shutterstock_1078070297.jpg

「チップテクノロジー業界は数十億の価値があり、私たちが日常生活で最も使用する多くの製品にとって重要である」と、CMAのチーフエグゼクティブであるAndrea Coscelli氏は述べています。

「私たちは世界中の他の競争当局と緊密に協力して、取引の影響について慎重に検討し、最終的に消費者がより高価な製品や低品質な製品に直面しないようにする」

この調査は、英国が今年初めに欧州連合(EU)から完全離脱して以来、CMAがレビューを行う最初のグローバル取引となります。英国の政治家は以前、Arm UKのスタッフ数が減らないという保証を望んでいました。

Nvidiaが最初に今回の買収計画を発表した際、規制プロセスには約18か月程度かかるだろうと述べていました。

同社はその発表以来、世論を揺るがさないよう魅力的な計画を発表してきました。例えば、パンデミックの最中に最前線で働くヘルスケア企業や研究者らが共有できる4000万ポンド(5200万ドル)規模のスーパーコンピュータの構築を約束しました。

タイムズ紙によると、英国のボリス・ジョンソン首相とマット・ハンコック保健大臣は、どちらも良い宣伝を必要としており、今年後半に行われる予定の華やかなスーパーコンピュータの発表に期待が集まっています。

「Cambridge-1スーパーコンピュータは、英国のイノベーションハブとして機能し、そして更に、重要ヘルスケアや創薬分野において研究者らが画期的な作業を行える環境を提供する」と、NvidiaのJensen Huang CEOは10月にこのように述べていました。

Nvidiaは、GSK、アストラゼネカ、Guy’s and St Thomas’ NHS(国民保健サービス)Foundation Trust、キングス・カレッジ・ロンドン、オックスフォード・ナノポアの研究者らに対し、新しいスーパーコンピュータの提供を行うと発表しました。

Data Center Dynamics

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