優れたデータセンター資産管理で重要な10項目【特集】
現在、いまだに多くの企業では、複数(平均的に4~5程度)のIT資産管理システム、あるいはスプレッドシートを使いデータセンター内の資産管理を行っており、その多くの場合、命名規則が異なる事に起因しデータが重複したり、複数のスプレッドシート上に古い情報が存在したりといった様々な問題が発生し、それによりオペレーターの業務負荷の問題や、資産運用の効率低下、運用時のリスク上昇などの問題に繋がっています。 これは決してスマートな運用であるとは言えません。
「平均的な組織では、手動でIT資産を管理する場合、15%以上のエラー率が予想される」 と、Rahi SystemsのMarcus Doran氏は今年の初めにDigitalisation Worldの記事で述べていました。
ここではそれを改善するための10のヒントを紹介します。これらを抑えることで、データセンターの運用において収益面で大きなプラスの影響を与えます。
資産評価
次の質問に答えてみてください。もし質問に「はい」と回答できない場合は、最後まで読み続けてください。
- 事業全体で共通の資産管理システムを運用していますか?
- インベントリ上にゴーストサーバーや既に使用していないIT機器が存在していないと確信できていますか?
- ブレードとシャーシなどのパーツも含めた、あらゆるIT/DC資産がトラッキングできていますか?
- IT/DC資産のトラッキングと管理に関する、ITシステムと連携可能な柔軟なアーキテクチャがありますか?
- DCのあらゆる情報を正確に把握できていると100%確信できますか? 常に最新に更新されているCMDBを持っていますか?
まず最初に、社内の資産管理の要件範囲を知る必要があります。 事業目標が何かを念頭に置きながら、順番に抑えるべき項目を確認してください。 比較的短時間で実現できるメリットを確認してみましょう。
- 正しいプロセスと手順
- 運用時の機器の移動/追加/変更( MAC )を確実に行うには、確実な資産管理データに基づいた適切なプロセスと手順が必要です。資産の所在、所有者、資産に対する保守情報などを把握します。
- 効率的なリソース管理
- IT資産のすべてがどこにあるかが瞬時に分かれば、使用状況の現場調査をする必要はありません。変更プロジェクト全体では、少ない運用リソースで、運用コストとリスクを抑えましょう。
- スタック全体・組織全体で単一の正確なデータソース
- キャパシティプランニングは、物理インフラからアプリケーションレイヤまで、スタック全体での検討・実行が必要になるため、すべての情報を1か所で集中管理するのが理にかなっています。会社のERP / CMDBシステムと統合することにより、単一のデータベースが確保されます。無駄に各部門のDBとの調整を行う必要はありません。
- DCIMおよびSDDCの不可欠な基盤
- 例えばデータセンターが週末は使用帯域幅が高く、使用率が高い場合に、適切な電力を利用できるようにすることは、サービスを維持するために重要です。そのため、DCIMまたはSoftware Defined Data Centerを実装するための基盤は、同じシステムにIT資産管理とDC資産管理の双方を備えていることです。それなしでは、判断を下したり、自動化アクションのプログラムなどはできません。
- ISO9001(およびその他の規格)への準拠
- 資産管理システムが正常に実装されている場合、コンプライアンス監査証跡が記録され、少なくとも資産とカテゴリの観点からは、問題を回避できます。
- 購入、リース、保証に関する情報
- これらの情報は通常、資産管理システム内に保存され追跡されます。照合された正確な情報を持つ事により、契約ベンダーから可能な限り最高のサービスや価格を得ることができます。
- ゾンビサーバー
- 非稼働・低稼働状態のゾンビサーバーは、それが孤立した場合に頻繁に発生します。たとえば、所有者が会社を退職した場合です。機器の所有権が追跡できていると、誰かが組織を離れたときにその所有権を再割り当てし、資産を適切に利用できます。
- オープンソースAPI、簡易アクセス
- IoT が成熟し、デジタルメッシュがより現実のものになっている現在、他と連携しないスタンドアロン型ソフトウェアを使用することはほとんど意味がありません。システムが、柔軟なアーキテクチャを持ち、他システムとの統合に関しオープンであることを確認してください。より先進的なプロバイダーはこれに対応し、アプリケーションへのアクセスを非常に簡単にしています。
- 常に評価または監査するのではなく、リアルタイムのレポート
- 透過的な環境が最も効率的です。統合資産管理システムで情報を最新の状態に保つ事は、スプレッドシートなどによる運用と比較して簡単に、かつ迅速に行えます。そしてデータセンター内で真の俊敏性を実現できます。各事業部門からの問い合わせに即座に答えられることを想像してください!
- データ移行・マージ
- 上記で述べた通り、プロジェクトでの監査部分はすでに完了しているため、移行前に監査する必要がある場合、リソースコストの約30%を節約できます。
最後に、優れた資産管理の仕組みを成功裏に実装し、上記のすべてのメリットを実現するためには、システムの導入以前に、まずは内部プロセスと手順を明確にする必要があります。
そうでない場合、最初のハードルに引っかかってしまう可能性があります。
Data Center Dynamics
【原文著者】RiT Tech Venessa Moffat ※DC ASIAにて一部内容を加筆修正し編集しています。
DC ASIAではIT/DC資産管理の問題・課題を解決する資産管理システムの提案とともに、導入前のアドバイスも行っています。→お問い合わせはこちら
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