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ARPANETから50年:インターネットの歴史と今後【特集】

アーパネット( Advanced Research Projects Agency NETwork )が1969年10月29日午後10:30、UCLA( カリフォルニア大学ロサンゼルス校 )とスタンフォード 研究所(SRI; Stanford Research Institue) の2台のコンピューター間で最初のメッセージを配信してから50年が経ちます。

ARPANETの恒久的リンクが確立したのは1969年11月21日のことで、UCLAとスタンフォード研究所のIMP間のことである。1969年12月5日には、4ノード相互のネットワークが完成した。

Wikipediaより引用

しかしシステムクラッシュにより「login:」の代わりに「lo」のみが送信されました。そこから現代の インターネット に繋がるすべてが始まりました。メインフレーム上の予約時間から、モデムを使用したダイヤルアップ方式等々…長い道のりを歩んできましたが、インターネットのメリットは社会に浸透し続けています。

インターネットの基本的な構成要素は、 HTML や DNS 、 SSL や JavaScript など、今日でも使用されています。これらは革命ではなく進化の歴史でした。これらテクノロジーの最新バージョンは、初期の頃のユーザーが利用していたものよりもはるかに高度に進化しました。

それはインタラクティブに、グラフィカルに、そしてダイナミックになりました。クラウドの出現により、データをリモート上に保存し、いつでもどこでもアクセスできるようになりました。しかし、インターネットが私たちの生活の中にさらに浸透していく中で、根本的な再設計を検討すべきでしょうか、それともよりインテリジェントにしていく必要があるのでしょうか?

強力なプロトコル

インターネット上のすべてはプロトコルで機能し、それぞれ異なる種類の情報トランザクションを行います。 TCP/IP は、上位プロトコルが様々なタスクを実行するための基盤を支える最も基本的な存在です。IPは、パケットが場所から場所へと移動するためのルートを提供します。IPアドレスは、インターネットに接続されているすべてのデバイスの住所や番地であり、それは膨大な数に上ります。今後 IoT が主流になり、さらに多くのデバイスがオンラインになっていきます。

インターネットへの接続デバイスの増加は、IPv4でのアドレスの枯渇問題に直面しましたが、IPv6は少なくとも理論的にネットワークが更に拡大していく中での障壁にはなりません。IPは、インターネットに関連するすべてのプロトコルの中で最も重要であり、IPの仕組みを再考する必要がある場合、根本的に変更する必要があるコアテクノロジーです。

– ARPANET

コンテンツに命を吹き込む

インターネット上のプロトコルは、それ以降に続くすべてを支える上で重要な役割を果たしてきましたが、実際にインターネットのプロトコルが可能にしたのはコンテンツであり、そしてそれは非常に変革的な側面があります。インターネット上の情報はさまざまな言語で生成されています。その基本はHTMLですが、CSSやJavaScriptなどのスクリプト言語は、コンテンツを生き生きとさせ、ビデオやアニメーションから3Dグラフィックスや画像に至るまで、インターネットユーザーに革新的な体験を提供します。

基盤となるプロトコルと同様に、インターネットが依存する様々な言語は、過去50年間、根本的な変更はなく進化してきました。たとえば、HTML5の機能は、当初の機能と比較して非常に優れたものになりましたが、コアな部分は依然として初期のHTMLのままです。クラウドベース・アプリケーションの人気が高まり、同時に複雑さは増し、プログラミングはより高度なものになりました。C ++やPythonなどの新しい言語が登場しましたが、音声認識、AI、自然言語処理(NLP)などの発達につれ、現在の視覚支配の状況が変化していく可能性について考えることは理にかなっています。またそれは、データセンターやクラウドサービスが依存するバックエンド処理やストレージ能力に大きな影響を及ぼします。

コンテンツの進化と共に、より多くの人々がネットワーク接続性の恩恵を受け続けています。 5G が提供する通信速度は、都市部をよりスマートにする興味深い可能性をもたらしますが、現在低速あるいはそもそも通信が利用できずに抑制されている農村地域においては多大な作業を行わなければならないかも知れません。

セキュリティ基準

ファイルの安全な共有や機密情報の転送、あるいはオンラインでの購入などユーザの行動はすべて、接続性のおかげで自然な行動になりました。また、Webサーバとブラウザ間で暗号化を確立する標準技術である SSL(Secure Sockets Layer)の恩恵もあります。トラフィックがセキュアになったことで、インターネットが企業や政府に採用され、インターネットは無くてはならない存在になりました。

DNS については、セキュリティに関する議論の1つになっています。DNSは分散型の名前解決システムであり、ネットワーク上のすべてのデバイスにIDを付与します。

インターネットが始まって以来、DNSはサイバー犯罪者による攻撃の踏み台として頻繁に悪用されてきました。DNS攻撃には、DDoSman-in-the-middle攻撃、または絶え間なく変わるプロキシネットワークの背後にマルウェアを配信するサイトを隠すFast-flux(ファストフラックス)DNSなど、さまざまな形態があります。DNSの有用性は大成功を収めましたが、さまざまなセキュリティ上の脅威にも直面しました。

インターネットの進化は当然の流れです。より多くのデバイスがネットワークに接続されオンラインになるにつれ、セキュリティ対策はより重要度を増しましたが、より困難にもなっています。シスコは、今後2022年までに、インターネットの過去50年の歴史全体で経験したよりも多くのトラフィックがグローバルのインターネットを通過すると予測しています。次の50年間では、ネットワーク自体がサイバー攻撃の監視や軽減においてよりインテリジェント化します。しかし、サイバー犯罪者の攻撃自体も巧妙かつ頻繁になっていくでしょう。少なくとも近い将来、企業はサイバーセキュリティへの積極的な投資を戦略的な優先事項として扱わなければならなくなります。

ネットワークに関しては、革命ではなく進化の歴史でした。我々は過去50年間の歴史の膨大な量のデータから学ぶことができます。楽観的には、インターネットを振り返ると素晴らしい技術が数多く生まれました。インターネットは、少数の限定された大学や軍事施設のみから、今や世界中の40億人を超える人々や数百億のデバイスに広がっています。

明らかなことは、その進化は続き、インターネットの構成要素はよりインテリジェントに、直感的かつセキュアになり、今後50年間の可能性をサポートしていくでしょう。


Data Center Dynamics

原文はこちら

【原文著者】Chintan Patel氏 : Cisco’s chief technologist for UK & Ireland

※ DC ASIAにて一部内容の意訳を行なっています。

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