データセンターREITとは?【特集】

新たにデータセンターREITを設立する価値はあるか?

当初からREITとして設立されている会社もあれば、サービスよりも不動産に注力するためにREITに事業転換する会社もあります。Iron Mountainは2014年にREITに転換し、Equinixは2015年に移行しました。

「Iron MountainとEquinixがREITに転換したのを見てみると、主にサービス事業よりも不動産事業の方が多い」とJLLのCvengros氏は言います。「そしてそれが示しているのは、彼らは、クラウドやマネージドサービスとは対照的に、主な市場開拓戦略として不動産やインフラストラクチャに取り組んでいるということ」

「彼らがより多くの資金調達を得るには、例としてDigital Realty Trustのテナントであるよりもはるかに安全な方法でより速いスピードで拡大し、より多くのリースアプローチに取り組むことです」

REITに転換する理由は各企業によって異なりますが、広くは有益な税務上のステータスや成長に向けた資本へのより大きなアクセスをもたらします。

「最大のメリットは、REITは法人税を支払わないこと」とMillionacreのFrankel氏は言います。「REITではないデータセンター企業を考えてみてください。その収益は事実上2回課税されます。1回目は企業が利益を上げた際に企業レベルで、もう1回は企業が投資家に配当を支払う際に個人レベルで」

組織がREIT分類を申請できるかどうかのルールは国によって異なりますが、賃貸料などの不動産事業が収益の大部分を占める不動産ポートフォリオを広く所有し、そして収益の大部分を提供できる多くの投資家を持つ、等が最小要件です。

Cushman&WakefieldのImboden氏は、次のように述べています。「REITは、株式発行や合弁事業のパートナーシップを通じて、投資家が公開後の会社の財務状況をよりよく理解できるため、より簡単に資金を調達できる。REITになる上での難易度は、会社がREITになることを意図して構成され、管理されているかどうか、または何年にもわたる運営を経て決定が下されたかどうかに大きく依存する」

「公開REITになることを目指すデータセンター企業は、内部会計が公開企業の期待値に沿っていること、および所有資産の数がそれぞれの会社のREIT法に適合していることを確認する必要がある」

NAREITのWorth氏は、企業が(REITへの)切り替えを行う適切なタイミングがいつなのかを正確に言うのは難しいと言いますが、切り替えを行った企業は非常に成功しています。彼はまた、現在運営会社として機能している会社は、おそらくプライベートエクイティ(PE)ファンドの場合よりも飛躍は少ないだろうと述べています。

「ファンドの構造を運用会社に変えることは、ファンドの構造に見られるような一連の資産の構築と裏返しではなく、長期的なパフォーマンスに重点を置く考え方への大きな変化です」

「他にも、実行しなければならない数多くの法的及び会計上のステップがあり、技術的な観点からは非常に複雑になる。それは決して単純なプロセスではないが、私たちは企業らがそれをしてきたのを見てきた、そしてこれは今後も更に増えるだろうと確信している」

Data Center Dynamics

原文はこちら

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。