電力需要は50%増加する~シュナイダーエレクトリック社による調査報告
シュナイダーエレクトリック社は、デジタル化されたスマートなアプリケーションへの電力供給の将来の姿を理解するための調査報告書を発表しました。
Digital Economy and Climate Impact(デジタル経済と気候変動への影響)と題されたこの報告書では、ITセクター関連の電力需要が2030年までに約50%増加すると予測しながら、電力システムの脱炭素化により排出量は26%以上増加しないとしています。
同社のサステナビリティ研究所は、排出量の増加を緩和するために、コンポーネントとシステムの両レベルで、ITとエネルギーの効率化を達成するための継続的な取り組みを推奨しています。
この報告書はシュナイダーエレクトリック社のBoston Hubからオンライン上で発表されたもので、PUEの観点から見てハイパースケールデータセンターよりも効率が低いとされるエッジコンピューティングの台頭に焦点を当てています。
同社のセキュアパワー担当執行副社長パンカジ・シャルマは次のように述べています。「世界はロックダウンと同時にログオンし、インターネットのトラフィックは急増しました。デジタル活動が必然的にCO2排出量の増加という深い問題を引き起こすという仮定は誤解を招く恐れがあります。
サステナビリティ研究所の分析は、IT関連の電力使用量が5年ごとに倍増するという最悪のシナリオを予測する多くの主張に一石を投じるものです。
とはいえ業界としては、デジタル化が生活の利便性を高め続ける中で、レジリエンスや持続可能性を高めるための新たなエネルギー源を追求し続けなければなりません。」
シュナイダーUPSの今後
同社はまた、データセンターインフラ管理ソフトウェア「EcoStruxure IT」と三相UPS「Galaxy VL」に関する最新情報を発表しました。これらの製品は、ITやデータセンターインフラのレジリエンスを高めながら、持続可能性の目標を達成することを目的としています。
報告書で紹介しているように、デジタルの需要の高まりがエンタプライズ、クラウド、エッジデータセンターといった、より複雑なハイブリッド環境を生み出しています。
EcoStruxure ITソフトウェアの今回のアップデートはハイブリッドIT環境の管理における課題に対処するため、効率性と耐障害性を高めるものです。より詳細なリモートデバイス設定機能により、1つの集約プラットフォームから、新しいGalaxy VL UPSを含む複数の機器の設定を変更できます。
このアップデートは、以前にリリースされたデバイスセキュリティの健全性に関する監視ソフトウェアと組み合わせることで、不具合のあるデバイスや設定を特定、数クリックで対処しハイブリッドIT環境を安全に保つことができます。環境監視システムにより、いつでもどこからでもデータセンターやITの変化を検知できます。
また今回のアップデートでNetBotz 750、755といった監視カメラのリモート一括設定を可能になり、重要なインフラ全体のセキュリティを効率的に高めることができます。
新設計のGalaxyのリチウムイオンバッテリーソリューションは、スペース節約、迅速な充電と設置、安全性の向上を可能にしています。
リチウムイオンバッテリーは、VRLAよりも高い温度で動作するため、バッテリー寿命を2倍に延ばし、設置や保守のコストを削減し、さらに冷却の必要性を減らすことで、TCOの削減に貢献します。リアルタイムのバッテリー管理システムを搭載し、バッテリーシステムの可視性、予測性、管理性を向上させています。また、モジュール式のタッチセーフ設計により、保守が容易になります。
またシャルマはこうも述べています。「当社はこれまで15年間サステナビリティに注力しており、最近では世界で最もサステナブルな企業に選ばれました。今後も技術革新により、より広範な接続環境でより高い効率を実現する考えです。私たちの業界はスマートな選択により、デジタル技術の需要の高まりに起因する電力と排出量を軽減に貢献します」
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