マイクロソフト、データセンター関連企業の節水対策でリード

マイクロソフトは、他のデータセンター企業よりも水使用量の管理に優れていると、新たな報告書で明らかになりました。

Morningstar Sustainalyticsのレポートによると、同社は2030年までのウォーター・ポジティブ目標達成に向けての投資を行っており、また水の使用をビジネス戦略に組み込んでおり、その結果、すでに水使用量の減少を示すことができるようになったとしています。

Morningstarは、業界内の他企業についてはあまり良い印象を持っておらず、水を節約するための適切なプログラムを実施している事業者はわずか33%に過ぎないと述べています。

「データセンターは、直接的には冷却のために、また間接的には発電のために大量の水を必要とする」と、報告書「ESG Risks Affecting Data Centers: Why Water Resource Use Matters to Investors(データセンターに影響を与えるESGリスク:水資源利用が投資家に注目される理由)」では述べています。

Morningstarは、水に依存するいかなる企業は、水不足や節水・配給などのリスクにさらされるとし、これはインターネットソフトウェア・サービス、データ処理、一般企業、インフラソフトウェア、通信サービス分野のデータセンターに当てはまると指摘しています。

気候変動に伴い世界的に水の供給が不安定になることで、こうしたリスクは大幅に増加する可能性があります。新たな水に関する規制は、企業のコンプライアンスコストが増加させ、使用できる水量が制限される可能性があります。水不足の地域では、水の利用をめぐって地域社会と対立し、風評被害につながる可能性があると、報告書は警告しています。

マイクロソフトはオランダでその水利用について批判を受け、ニューメキシコ州、アリゾナ州、サウスカロライナ州のデータセンターでは、地域社会や水保護関係者からの苦情に直面し、あるケースでは地下水の使用を控え、代わりに地表水の代金を支払うことを余儀なくされたことがあります。

Morningstarによると、水リスク管理戦略を公開している企業は16%に過ぎず、一方で64%は物理的な気候変動リスクを管理するためのプログラムを持っていると伝えています。「水リスクとその重要性に対する認識が高まるにつれ、企業による水関連の開示が増えることが予想される」と、報告書は説明しています。

Morningstar の見解では、約半数の企業が水管理プログラムを実施しているが、そのうち「満足」なのはわずか5%、「十分」は33%、「不十分」は61%であるとしています。

マイクロソフトは、今回の分析で、水リスクマネジメントと水管理プログラムでトップスコアを獲得した唯一の企業です。また、同社の水資源強度は、3年間の平均値と比較して大幅に減少しています。

Morningstarによると、マイクロソフトの成功は、2030年までにウォーター・ポジティブにするための投資によるものだといいます。同社のデータセンターでは、Smart Water Navigatorや断熱冷却(気温が華氏85度以下の場合、冷却に水の代わりに外気を使用する技術)などの新しい技術が採用されています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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