マイクロソフト、オランダの環境型データセンターの冷却に雨水を利用する計画を発表

オランダのHollands-Kroon州に新設されるデータセンターが、飲料水不足を引き起こす可能性があることが新聞記事で明らかになったことを受けて、施主であるマイクロソフトはテレビ番組で雨水を利用することを約束しました。

マイクロソフトの同地域へのデータセンター建設計画は住民の反対に遭い、また生産者団体も異議を訴えていました。ある新聞記事は、この地域には既にマイクロソフトやグーグルが施設を構え、さらなる新施設の計画は、飲料水不足に陥る可能性があると明らかにしました。これに対し、マイクロソフトはオランダのテレビ番組で、データセンターの冷却には雨水を利用し、余った水については地域の温室に提供していくと回答しました。

水道事業者になる

De Telegraaf紙によると、アグリポート開発地にあるマイクロソフトやグーグルのデータセンターでは、1時間あたり525立方メートル、年間460万立方メートルの飲料水を使用しており、さらに5施設を追加する計画であれば、年間1,000万立方メートルの水が必要になると述べています。自治体の内部資料では、異常気象時には水不足になる可能性を警告しているとDe Telegraaf紙は報じています。

マイクロソフトは1月に環境許可を取得していましたが、その後、地元農家からの訴えがありました。その後、市議会にこのような施設の許可を出す権限があるのかどうかを巡る争いが起き、マイクロソフトは強制執行の手続きを取らされる可能性が出てきました。一方、マイクロソフトはすでにHollands-Kroon第2データセンターの建設を進めています。

このような状況の中、マイクロソフトはオランダのテレビ番組「EenVandaag」の中で、データセンターの冷却には雨水を利用し、余った分は地元の温室に寄付すると回答したとHortidailyは伝えています。

番組によると、マイクロソフトは、15年前から雨水を再利用している民間企業ECW Energyにアプローチをしたとのことです。

ECW EnergyのRobert Kielstra氏によると、マイクロソフトはAgriportの敷地内で採取した水のうち、自社の冷却用に必要なのは30%程度で、残りは温室に供給することができると言います。「マイクロソフトはユーザーではなく、水道事業者になるのです」

オランダでは水が非常に安価であるため、雨水を集めて供給するにはコストがかかります。しかしマイクロソフトは当局や地域住民からの圧力を緩和するためにこの方法を選択したようです。

これと並行して、Hollands-Kroonデータセンターは、海抜約6mの地域であることから、もうひとつの水問題にも直面しています。この地にさらなる重要インフラが増えると、海水の侵入を防ぐための堤防が必要となり、堤防の建設には公的資金が必要となります。

Data Center Dynamics

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