
GoogleがベルギーのEnecoと54MWのPPAを締結
今後2年間で同国に50億ユーロを投資する計画の一環
Googleは、欧州の再生可能エネルギー開発企業Enecoと、ベルギーにおける54MWの風力発電に関する電力購入契約(PPA)を締結しました。
電力は、同地域の3つの風力発電所から供給されます。Googleによると、このPPAは同地域における新たな陸上風力発電所の開発を支援するとのことです。PPAに関連する具体的なプロジェクトは、明らかにされていません。
Enecoは、北海における複数の風力プロジェクトに関与しており、オランダ北海の「Hollandse Kust Noord」プロジェクトや開発中の「Ecowende」プロジェクトなどが含まれています。DCDは、GoogleがPPAに基づいて、どの風力発電所から電力供給を受ける予定なのかについて、同社に確認を求めています。
検索・クラウド大手のGoogleは2014年、エメハーフェン港(フローニンゲン州)に2016年に開設したデータセンター向け電力供給として、Enecoと10年間の契約を締結していました。当時の報道によれば、同データセンターは再生可能エネルギーのみで稼働する予定で、建設費は、約6億ユーロ(約696億円)と見積もられていました。
2023年には、オランダのEnecoと新たな沿岸風力発電所複数から、153MWを調達する10年契約を締結しました。
Googleは近年、同地域で他にも複数のPPA契約を結んでいます。2023年には、Luminusと12年契約で陸上風力発電プロジェクト4件から23.8MWを調達する契約を締結しました。
この最新のPPAは、同社が今後2年間でベルギー事業にクラウド・AIインフラ拡充のため、50億ユーロ(約58億ドル)を投資すると発表した計画の一環です。契約には、サン・ジスランのデータセンターキャンパス拡張が含まれ、地域に300人の常勤雇用創出が見込まれます。
Googleは2009年に、ベルギーに初のデータセンターキャンパスを設立し、「europe-west1」リージョンを構えています。
同社はまた、エノー州ファルシエンヌにキャンパスを建設中で、2024年4月に着工しました。同キャンパスの公式計画は、2023年7月に初めて発表されました。
Saint-Ghislain campusは、Googleの欧州初の拠点であり、その後拡張を続けてきました。2024年4月時点で、90ヘクタールの敷地内に5つのデータセンターと太陽光発電所を擁しています。
Googleは声明の中で、次のように述べました。「当社の取り組みは、インフラ整備に留まりません。AI主導型経済で成功するために必要なスキルをベルギー国民に無償で提供するとともに、非営利団体への資金援助を通じて低技能労働者向けの無料実践的AIトレーニングを実施します。」
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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