Rio TintoがAWSに低炭素銅を供給

AWSは、Rio Tintoにクラウドベースのデータ・分析サービスを提供

英豪の鉱業大手Rio Tintoは、Amazon Web Services(AWS)と提携し、同社の持つNuton (バイオリーチングを用いた) 技術を用いて生産した低炭素銅を、米国にあるAWSデータセンターに供給します。

両社は2年間の供給契約を締結し、先月操業を開始したアリゾナ州ジョンソンキャンプ銅山におけるNuton技術の商用規模展開で生産された銅を使用する最初の顧客としてAWSが位置づけられました。この銅は、米国にあるAWSのデータセンターポートフォリオ全体で、電気ケーブル、変圧器、回路基板、冷却システムなどの構成部品に使用されます。

Amazonの最高サステナビリティ責任者であるKara Hurstは、次のように述べました。「2040年までにネットゼロカーボンを達成するという当社の『気候誓約目標』は、インフラを支える資材の調達方法を含め、事業運営のあらゆる面で革新を求めるものです。」

「Nuton Technologyとのこの協業は、まさに我々が必要とする画期的な取り組みです。銅生産に対する根本的に異なるアプローチにより、炭素排出量と水使用量の削減に貢献します。次世代のカーボンフリーエネルギー技術への投資を継続し、データセンター事業を拡大する中で、地元で生産される低炭素素材の導入を確保することは、サプライチェーンのレジリエンスと大規模な脱炭素化能力の両方を強化します。」

銅の供給に加え、AWSはRio Tintoに対し、Nuton技術のプロセス最適化を支援するクラウドベースのデータ・分析サービスの提供にも合意しました。この技術は、天然微生物を用いて一次硫化鉱石から銅を抽出するため、従来の選鉱機・製錬所・精錬所が不要となります。

Rio Tintoは、この手法により鉱山から完成金属までのサプライチェーンが短縮され、従来の銅生産方法と比較して水使用量と炭素排出量の両方が削減できると主張しています。その結果、このプロセスでは、鉱山現場で直接99.99%純度の銅カソードを生産でき、従来は採算が取れないとされていた鉱石からの回収を可能にします。

Rio Tintoは既にAWSのデジタルツールを導入し、ヒープリーチング(積み上げた鉱石(ヒープ)から目的の金属をどれだけ「速く」「多く」「効率的に」抽出できるかを示す指標の総称)性能をモデル化し、高度な分析を適用して銅回収率を向上させると同時に、酸と水の使用を最適化しています。同社は、バイオリーチングとデジタルツールの組み合わせにより、システムの拡張と異なる鉱床への迅速な適応が可能になると主張しています。

Rio Tintoによると、同鉱山の電力消費量は再生可能エネルギー証明書によって相殺されており、水使用強度は世界の業界平均よりも大幅に低くなると見込まれています。

本合意について、Rio Tinto銅部門の最高経営責任者であるKatie Jacksonは、次のように述べました。「この協業は、産業革新とクラウド技術が連携し、クリーンかつ低炭素な材料を大規模に供給することを示す強力な事例です。Nuton技術は、既にアイデアから工業生産への迅速な移行能力を実証しており、AWSのデータ・分析の専門性は、当社の事業全体にわたる最適化と検証を加速させることに貢献します。」

「重要な点として、Nuton技術の銅をAWSの米国データセンターのサプライチェーンに組み込むことで、国内のレジリエンスを高め、これらの施設が必要とする重要な素材を、その利用場所に近いところで確保することに貢献しています。両社が協力することで、現代のデータインフラに不可欠な銅を供給すると同時に、鉱業がより持続可能なサプライチェーンにどのように寄与できるかを示すことができます。」

Rio Tintoは世界最大級の鉱業会社の一つで、鉄鉱石、アルミニウム、銅、その他の重要鉱物を生産しています。2024年には鉄鉱石約3億2800万トン、銅69万7000トン、アルミニウム330万トンを生産しました。

AWSは、データセンター建設プロセスの脱炭素化を加速させています。昨年、同社はカリフォルニア州オークランドに拠点を置く低炭素セメント企業Brimstoneと商業契約を結び、そのセメントの一定量を確保しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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