オラクルがTikTokの米国事業の買収を検討
待って、何?
Oracleが、TikTokの米国、カナダ、オーストラリア、およびニュージーランドでの事業買収に関し、TikTokとの協議に入ったと伝えられています。
この取引は、TikTok株を保有するベンチャーキャピタル企業グループとのパートナーシップの中で行われています。
この動きは、ドナルド・トランプ大統領が売却しない限りアプリを禁止するとした発言を受けてのものです。ただ、マイクロソフトがTikTokの買収交渉を最も進めていると見られており、7月時点でその意思を確認しています。
2020年は奇妙な年
Financial Timesは、OracleがGeneral AtlanticやSequoia Capitalなどのベンチャーキャピタルファンドに対し買収への参入を依頼したと報じています。
CNBCの情報筋がその後この報告を確認し、TikTokとの交渉がここ数日で加速したことを付け加え、Microsoftが明確に議論をリードしていると伝えました。尚、TwitterもTikTokとの早期交渉を行ったと考えられていますが、中小企業は買収の資金調達に苦労する可能性があります。
TikTokの親会社であるByteDanceは自社の半分を売却する事を望んでいませんが、米国政府は強制的に売却を試みています。今月、トランプ大統領は、同社をターゲットにした2件の大統領令に署名しました。1つ目は9月20日以降、米国法人の事業を禁止するもので、2つ目は、90日以内に米国のTikTok事業の売却あるいはスピンオフを要求するものでした。
ByteDanceは、米国市民に関するデータの廃棄についても命令されており、必要に応じて、米国の対外投資委員会による監査を求められます。
「ByteDanceが米国の国家安全保障を損なう恐れのある行動を取るかもしれないと思われる信頼性の高い証拠がある」とトランプ氏は大統領令の中で主張しています。
このような証拠については開示されていませんが、ウォールストリートジャーナル(WSJ)は先週、Google Androidのポリシーに反して、TikTokがユーザ端末のMACアドレスを追跡していたと報告しました。
しかし同社は11月にセキュリティホールを塞いでおり、WSJはTikTokがモバイルアプリで異常な量の情報を収集しているといった証拠を見つけることができませんでした。
同社は、セキュリティリスクがあるとの米国側の主張を否定し、米国の全てのデータは米国内のサーバに保持し、バックアップはシンガポールで取っていると述べています。今月初めには、国家安全保障上の懸念に対処するために、ほぼ1年間誠意を持って米国政府に協力しようとしていたと主張しています。
「代わりに我々が食らったのは、政権が事実に注意を払わず、標準の法的手続きを取らず合意の条件を定め、民間企業間の交渉にそれ自体を差し込もうとしたことだった。」
さらに厄介なことに、今月初めにトランプ大統領は、TikTokが売却された場合、米国財務省が「非常に大きな割合」の取引仲介料を受けることになると宣言しました。
ここで、Oracleに優位性があるかもしれません。同社の共同創設者兼エグゼクティブ・チェアマンであるラリー・エリソン氏は、テクノロジー業界で数少ない率直なトランプ支持者の1人であり、彼は今年2月に大統領邸宅で大統領のための募金活動を行っています。
CEOのSafra Catz氏もトランプ氏の支持者で、トランプ氏の当選後、大統領移行チームに加わりました。彼女は大統領と何度も食事を共にしたことで知られています。
あまり明確ではないのは、Oracleに技術的な優位性があるかどうかです。同社はエンタープライズ企業向けの事業に真っ向から取り組んでおり、データベース、エンタープライズ・リソース・プランニング、ヒューマンキャピタル・マネジメント、カスタマー・リレーションシップ・マネジメント、サプライチェーン管理ソフトウェアなどで最もよく知られています。
若い消費者向けのTikTokの買収をするとなると、それは同社にとって大きな変化となるでしょう。
しかし、クラウドサービス事業への移行に時間がかかり、Amazon、Microsoft、Googleとの競争に苦労している中、同社はヒット商品を模索しています。Oracleの直近の会計四半期の収益は6%減少して104億ドルとなり、競合他社同様のパンデミックに伴うクラウドの利用増加は見られませんでした。
Data Center Dynamics
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