Nvidia、データセンター内で自動運転車のシミュレーションを実施
走行試験は中断されていたが、Drive Constellationがタイムリーに証明する
Nvidiaは、その年次GPU技術会議にて、データセンター向けの自動走行車シミュレーションシステムを発表しました。今回の発表は、Nvidia等に続きUberが取り組んだものですが、アリゾナ州で起きた致命的な事故によって延期されていたものです。
Drive Constellationは2つのサーバーから成り立っています。1つは、仮想世界を生み出し自動運転車の視点から映し出すもの、そしてもう1つはその仮想世界の中で運転するためのものです。
大荒れの仮想世界
J.フアンCEOは基調演説において次のように述べました。「人間は、年間10兆マイルもの距離を運転するようになりましたが、そのうちの100万マイルは実験車20台でカバーすることができます」
Drive Constellationの目的は、自動運転車の走行可能距離を伸ばすことで人間が運転する距離を短くさせようというものです。
フアン氏はこう続けました。「我々は仮想現実世界の構築方法を知っています。将来、この類の仮想現実世界は幾千にものぼるでしょう。そして、“Drive Constellation”はその世界の中を疾走するのです」
「我々はConstellationを数千台所有することになりますが、1万台所有できれば、毎年30億マイルをカバーすることができるでしょう」
Nvidiaの自動車部門のシニアディレクター、D.シャピロ氏はこう語りました。「我々は現実に近い写真を、前方、側方そして後方カメラだけでなくレーザーやライダーから得られた画像からシミュレートしています。特筆すべきことは、普通なら乗り物に使用されるハードウェア―ソフトウェアソリューションを用いているということです。そして、これをデータセンターにも導入します」
「現実の車でハンドルやブレーキを扱うのでなく、それらのコマンドをシミュレーターへ送って車を運転するのです。これが1秒間に30回行われます。これによって長い距離を、限られた空間において、安全に走行できるようになりました。その次は、雨天時、降雪時、あらゆる天候下でシミュレーションします。アルゴリズムを繰り返し改良し、公道で走らせる前に完全なものに仕上げます」
しかし、Nvidiaは Drive Constellationのビジネスモデルについては奇妙なまでに口を閉ざしていました。DCDが直接話を聞いたところ、シャピロ氏は「これは新しいデータセンター関連製品です。あらゆるシミュレーションで使うことになるし、そして第3四半期には早期顧客に提供できるようにしたいです」とコメントしました。
「クラウド上か、オンプレミスか、データセンター内どうかは、まだ決まっていません」
この製品は、自動運転走行距離50億マイルのシミュレーションを行ってきたCarcraft(アルファベット社のウェイモ)の社内システムに少々似ています。ウェイモは自動運転車市場において先導的立場にいると思われていますが、2週間前に報じられたところによると、自動運転による輸送ビジネスに重点を置き、その皮切りとして、Googleのアトランティックデータセンターに提供し始めるようです。
自動運転車にインテルのチップを採用している同社は、今日、現実世界における自動運転車計画の拡張を発表しました。ウェイモはジャガー・ランドローバー社と提携して、この技術を搭載した2万台の全電動1ペースSUVs(多目的スポーツ車)を生産しました。そして、自社の自動運転車には2年以内に搭載するつもりです。
米国内の都市で毎日100万マイルの試験走行を何回かした後に、ウェイモは2020年には商用のライドシェアサービスを商用展開する見込みです。
自動運転技術につきまとう危険性
NvidiaのDrive Constellationは自動運転技術の低迷期に直面しています。というのも、先日、Uberの自動運転車が道路を横断中の歩行者を撥ねた死亡事故があったからです。Uberは、その自動運転計画を一時中断し、アリゾナ州も計画の再開を禁じました。
「我々は、世間に対して事実説明の機会をUberに与えるべきでしょう。彼らは事故から何かを学んだと確信しています」と語るのはNvidiaのジェンスン氏です。一月には、UberがNvidiaの技術をその車両に採用することを両社が公表しています。(実用段階でないDrive Constellationではありません)
死亡事故の後、Nvidiaも、ニュージャージー州やカリフォルニア州、日本、ドイツで行われていた現実世界での自動運転試験を中止しました。
ジェンスン氏は「我々は最大限の注意を払っており、検証方法のベストプラクティスを知っています。それでも実験を中止した理由は非常に明瞭です ― この事故から学ぶべきことがあるのは明らかだからこそ、何を学べるかを見極めるつもりです」
From the show floor
自動運転車を扱う中小企業のCEOが匿名希望でDCDに話すには、彼はUberが安全面に真剣に取り組まなかったと主張し、死亡事故を起こしたことに憤慨していました。
「事故の翌日、私は州知事と会ったのですが、事故のせいで延期になるのではないかと心配しました。でも面会はちゃんと行われました。彼は、後に自動運転に関する公の声明を出すべきだと言われましたが、しなかったので、後ろ指を刺されたのです」
– Data Center Dynamics
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