Arm、Nuvia買収でQualcommを提訴、Armのサーバチップ計画が危機に
14億ドルの買収計画撤回の可能性
チップ設計のArmは、Armサーバーチップの取り組みを頓挫させる可能性のあるライセンス紛争をめぐり、最大のパートナーの1つを訴えました。
Armは、Qualcommが14億ドルで新興企業Nuviaを買収したことについて訴え、NuviaがArmとのライセンス契約の下で開発したデザインを破壊する差し止め命令を求めています。
英国に本拠を置く同社はNuviaからQualcommにライセンスを譲渡するために、Qualcommの承認が必要であると主張しています。Armは、QualcommがNuviaのライセンスを使用する際の契約交渉に「1年以上」を費やしましたが、2月にライセンスを終了させたといわれています。
Qualcomm のゼネラルカウンセルであるアン・チャップリンは声明で、「Armには、契約上であれ何であれ、当社やNuviaの技術革新を妨害しようとする権利はない」と述べています。
「Arm社の訴えは、Qualcommがカスタム設計のCPUを対象とした広範で確立されたライセンス権を有しているという事実を無視しており、当社はこれらの権利が肯定されることを確信しています。」
勝訴した場合、Qualcommの主要な買収を解消し、デスクトップおよびサーバーチップの計画がとん挫する可能性があります。先月、QualcommがNuviaが設計したサーバーチップのテストについて、クラウドやデータセンターの企業に接触し、Amazonが関心を示していたことが明らかになったばかりです。
Nuviaの価値の鍵は、自社でコアを開発していることです。同社はベースとなるArmアーキテクチャのライセンスを取得していますが、プロセッサコア技術Neoverseのライセンスは取得していません。
このため、チップの設計をより自由にコントロールすることができ、チップ単位で見るとArmのライセンス収入は少なくなります(ただし、新製品ができると、より多くのチップを販売できることを意味する)。今年、ライバルのArmサーバーチップ企業Ampereは、独自のコア技術にシフトし、ハイパースケーラのニーズに焦点を当てることが容易になったとしています。
AppleがM1 Armチップで行ったように、カスタムコア設計に移行することで、長期的に異なるベースアーキテクチャに移行することも容易になります。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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