Amazon、バージニア州DCでHolcim社のグリーンコンクリートを採用へ
Holcim社のEcoPactは、一般的なコンクリートよりも排出量を最大で100%削減できると説明
Amazon Web Services(AWS)は、建材メーカーのHolcim USおよびBaker Concrete Constructionと、バージニア州北部での施設を始め、Amazonの複数のデータセンター建設に Holcim社の低炭素のEcoPactコンクリートを採用する契約を締結しました。Holcim社は、この素材にはさまざまなバリエーションがあり、炭素排出量を通常のコンクリートよりも30~100%削減できるとしています。
コンクリートは地球温暖化の主な原因であり、その生産や 使用過程で、世界の温室効果ガスの最大8パーセントを排出しています。この排出量を削減するための取り組みとして、低炭素のセメント材料を使用したり、工程で使用する熱を再生可能な電力に切り替えたりする方法がとられています。そのひとつ、CarbonCure社は、セメントに炭素を注入して隔離することで、排出量を5%程度削減しています。
Holcim社は、EcoPactの生産方法について詳しく説明していませんが、同社のサイトにある資料によると、ほとんどのコンクリートに使われているポルトランドセメントをフライアッシュなどの他のセメント系材料で代替しているようです。基本的な配合では、従来のコンクリートよりも温室効果ガスを30〜50%削減でき、その他の配合にすれば、さらに削減できるとしています。これは、グリーンピースなどの活動家から「グリーンウォッシュ」と呼ばれ、論議を呼んでいるプロセスです。DCDは、Holcim社に対し、排出量を削減するためにEcoPactが採用している技術について、より詳細な情報を求めています。
レポートによると、EcoPactは従来のコンクリートとほぼ同じ方法で打設・混合することができ、構造的な特性も似ているとのことです。
Holcim社によると、設計公約を満たすために、AWSと連携し、標準配合を通常のコンクリート比で39%の炭素削減に改善したとのことです。「AWS は、米国の新設データセンター向けに、一般的なコンクリートに対し少なくとも 20 パーセントの体積炭素削減を実現したコンクリートを要求する新しい設計基準を導入した。ホルシムの EcoPact 配合により、AWS はこの要件を満たすだけでなく、ほぼ 2 倍の削減を達成することができたのです」
Holcim USの大西洋中部の地域責任者であるCedric Barthelemy氏は、次のように述べています。「AWSとBaker Concrete Constructionは、ビジネスモデルを超えた大胆な発想で知られており、それはサステナビリティに対する両社それぞれのアプローチにも及んでいる。我々のパートナーシップは、AWSのデータウェアハウスの経験と、我々の低炭素コンクリート設計の専門性を組み合わせ、最終的にはより持続可能な建築環境に貢献することになる」
Holcim社は、セメント原料1トンあたりのスコープ1と2の排出量を、2018年を基準として2030年までに25%削減する目標を掲げています。
一方、Amazonは2040年までにネットゼロエミッションを達成することを公約していると、AWSデータセンター調達のAMER責任者であるGurmeet Sethi氏は述べています。「このコミットメントを達成するために、AWSはグローバルインフラにおいて持続可能性に関連する継続的なイノベーションに注力しており、Holcim社のような企業との業界コラボレーションの構築はその手段の1つであると考えている。これは、AWSのデータセンター建設に伴う二酸化炭素排出量のさらなる削減を可能にし、地域全体でより持続可能なインフラを構築する新たな機会を創出するものである」
先週、バージニア州の Glenn Youngkin 知事は、Amazon が今後 17 年間で 350 億ドルを投じてバージニア州のデータセンターのプレゼンスを拡大させる予定である話題を発表しました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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