KDDI、オンライン決済アプリケーションをOracle Databaseに移行

ディザスタリカバリでもOracle Cloudを採用

日本国内の携帯電話サービス「au」を運営するKDDIは今週、オラクルと提携し、オンライン決済サービス「au PAY」とポイントプログラム「au Pontaポイント」にオラクルのデータベースを採用すると発表しました。また、災害復旧(ディザスタリカバリ)用途でOracle Cloud Infrastructure (OCI)を採用しました。

同社によると、今回の移行により、決済処理速度が5倍、au Pontaポイントプログラムの処理性能が200%向上すると説明しています。今回のオラクルデータベースへの移行は、KDDIのデータ量とトランザクションの増大が背景にあります。

KDDI株式会社 情報システム本部 DCアーキテクト部 部長 鎌田宣昭氏は、「au PAYやau Pontaポイントプログラムは、2023年4月のデジタルマネー決済開始を前に、お客様の生活に欠かせないサービスとなっています」と述べています。

「これらのサービスは24時間365日利用できる必要があるため、ITアーキテクチャをインフラから再設計し構築することとしました」

さらに鎌田氏は、オラクルのデータベースが同社のJavaアプリケーション開発リソースにデータプラットフォームを提供し、リリース時間を半分以下に短縮する見込みであることを説明しました。

また、auのアプリケーションにはオラクルのReal Application Clusters、Data Guard、GoldenGateを採用し、災害復旧体制はOracle Cloud Infrastructureを利用するとのことです。

日本オラクルの取締役兼執行役社長の三澤智光氏は、次のように述べています。「KDDIの決済・お客様ポイントプログラムは、日本の消費者にとって重要な社会インフラです」

なお、両社は2021年2月より協業しています。

オラクルにとって、2023年はニュース性の高い年になっています。先月だけでも、Uberが7年間のクラウド契約でオラクルを採用したと発表し、Telefonica Brasilは自社アプリケーションを100%オラクルに移行することを明らかにしました。一方で、オラクルは2月に3日間にわたるDNS障害に見舞われ、同社の全クラウドリージョンに影響が及んだと報じられています。

2023年1月、KDDIは大阪を皮切りに、日本における5G Open vRANの拠点展開を開始しました。この展開は、Wind River Studioでホストされれています。

KDDIは、TELEHOUSE(テレハウス)というブランドで自前のデータセンター部門を運営しており、米国、英国、フランス、ドイツ、中国、シンガポール、ベトナム、日本など世界十数カ国の市場で事業を展開しています。2022年、TELEHOUSEはロンドンのドックランズに新規データセンターを開設し、タイのバンコクでの施設計画を発表し、さらにフランスのパリで新施設の起工式を行いました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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