中国のテック大手企業、NvidiaのGPUチップ約50億ドル分を発注

中国の最大手テクノロジー企業各社が、約50億ドル相当のNvidiaのGPUチップを発注しました。

Baidu、ByteDance、Tencent、Alibabaの各社は、今年に納品されるチップに10億ドル、そして2024年に向けて40億ドルを投じる方向である、とFinancial Timesは報じています。

今年納品予定分の半導体には約10万基のA800プロセッサが含まれています。なお、A800は、NvidiaのA100 GPUの簡略版であり、チップの相互接続スピードは300GBpsに半減しています。

GPUの弱化版は、昨年11月の米国の輸出規制に伴い解放されました。これは中国に対し、ハイエンド版チップの販売を制限する目的です。現在、中国のテクノロジー企業各社は、バイデン政権がこれらのチップに対しても禁止する可能性のある新たな輸出規制を検討しているとの懸念から、A800を備蓄しようとしています。

「これらのNvidiaチップがなければ、私たちは大規模言語モデルのトレーニングを追求できない」と、Baiduの従業員はFinancial Timesに対し話しています。

欧米のハイパースケーラーと同様に、中国企業各社もOpenAIのChatGPTリリースに続く形で、独自の大規模言語モデルと生成AIツールの構築を目指しています。

TikTokの親会社であるByteDanceは既に1万基のNvidia GPUを保有しており、来年納品される約7万基のA800チップを700億ドル相当で発注したとされています。

このニュースは、バイデン大統領がAI、量子コンピューティング、チップ技術の中国への輸出にさらなる制限を課す大統領令に署名したことと重なっています。投資プラットフォームBBAEのJames Early(ジェームズ・アーリー)氏はBBCラジオで、この大統領令の範囲はまだ策定中であり、「45日間のコメント期間があり、来年に発効する予定。これは実際には威嚇以上のものだ」とコメントしています。

昨夜、Nvidiaの株価は米国によるさらなる制限、そして中国政府による米国からの輸出への制限の懸念から4%下落しました。Wavertree InvestmentのTineke Frikkee(ティネケ・フリッケ)氏はBBCに対し、「中国企業ができるだけ多くのNvidiaチップを購入しようとする奪い合い状況がある」と述べていました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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