Infinity Turbine、AIデータセンター廃熱の電気転換システムを発表
パワーテクノロジー企業のInfinity Turbine社は、AIデータセンター向けの新たな熱再利用システム「Cluster Mesh Power Generation System」を発表しました。このシステムは、サーバーから発生する熱を利用してクリーンな電力を生産することができるとしています。
同社はまた、このシステムは、冷却水と電力の需要削減にも貢献できるとしています。
Infinity Turbine社、AIデータセンターの廃熱再利用システム
Infinity Turbine社のシステムは、メッシュ状に接続された小型のモジュール式Organic Rankine Cycleタービンを利用したもので、同社によれば、これはテスラ社のMegaPack蓄電池オペレーターの仕組みに似ていると述べています。このマルチセル・ツー・システムのコンセプトは、拡張性、冗長性、高効率を可能にするものだと考えられています。
システムの各タービン発電機は、最大5kWの電力を生み出すのに10万BTUの熱を必要とします。600台のタービン発電機がクラスターとして同時に稼働する場合、システムは1時間あたり60,000,000BTUの熱を効果的に利用する、と同社は主張しています。このヒートシンク能力は、データセンターの冷却負荷を軽減する可能性があります。
また、タービンを連結させると、1時間あたり3000kWhの発電が可能になると同社は述べています。
ウィスコンシン州マディソンに本社を置く同社は、このシステムによってデータセンターが節約できる水の量についても大きな主張をしています。1時間あたり60,000,000BTUの熱を除去することで、必要な冷却水は減少し、これは1日あたり250万リットルにも達すると見られています。
Cluster Mesh Power Generation Systemが実際にデータセンターに導入されているかどうかについては明らかになっていません。
Flex社とMusashi社、データセンター向け蓄電ソリューションを発表
一方、スーパーキャパシタのスペシャリストであるMusashi Energy Solutions社は、製造メーカーであるFlex社と提携し、AIデータセンター向けのエネルギー貯蔵ソリューションを開発しました。
キャパシタ・ベースのエネルギー貯蔵システム(CESS)はFlex社によって設計・製造され、Musashi社のハイブリッド・スーパーキャパシタ(HSC)技術を搭載しています。
CESSは、ネットワーク上のピーク電力のバランスをとり、激しいサージから送電網を保護し、エネルギーを効率的に管理するために設計された新技術です。HSCはバッテリー蓄電システムよりも安全で、寿命が非常に長く、動作温度範囲も広いとMusashi社は述べています。
「当社は、Flex社とともに、次世代のAIイノベーションに向けた電力供給を主導し、データセンターの爆発的な成長に伴う容量の解放に必要な電力問題に対処できることを誇りに思っている」と、Musashi Energy Solutionsの北米担当プレジデントであるFrank DeLattre氏は述べています。「新CESS製品におけるFlex社とのパートナーシップは、信頼性が高く、効率的で、拡張性のある電力ソリューションを市場にもたらすでしょう」
「Musashi Energy Solutionsは、AIコンピューティングにおける今後の電力密度需要に対応するため、将来のハイブリッドスーパーキャパシタセル開発に多額の投資を続けるとともに、顧客に必要な製造能力を確保し、予測されるセル生産量に対応していきます」
Flex社は2025年前半にCESSシステムの生産を開始し、年後半には顧客への出荷を開始したいと考えています。
Flex社の電力ソリューション担当副社長であるMattias Jansson氏は次のように述べています。「Musashi社との協業は、世界中のAIデータセンターの複雑な電力需要を持続的にサポートする革新的なCESSソリューションの開発の中核をなすものです。「Musashiとともに、当社の技術と革新的なポートフォリオ計画において、Flexはハイパースケール事業者に、長期的なエネルギー転換への対応を可能にする先進的な蓄電システムの提供を実現します」
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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